君と異界の空に落つ2 第24話
「善持ー! 来たわよ! ヨウは何処!?」
勝手知ったる知り合いは、適当に開けてくる寺の門。其処から叫び声が届いていたので、心の準備が出来た二人だ。男二人が声を聞き、ぎくり、と体を震わせる。耀の後ろで先に瑞波が黙って動きを止めていたが、二人が震える様を見て共感を覚えたようだ。良かった、怖いのは私だけではなかった、と。楚々と銀杏の木に逃げて、様子を窺う瑞波である。
「ヨウ!」
さえは耀を見つけて嬉しそうに近付いた。
お前ぇ、後ろの男は何だ? という善持の視線を無視しつ