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君と異界の空に落つ 第2章

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浄提寺を降りて祓えの神・瑞波と共に、旅に出た耀の成長の記録。 ※BL風異界落ち神系オカルト小説です。 ※何言ってんだか分からないと思いますが、私の作品はいつもこんなです。 ※古…
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#第19話

君と異界の空に落つ2 第19話

『え……ど、どうして……?』  どうやって此処へ来た、と。耀が人並みに動揺するのを、静かに見遣った童子である。それから『矢張り、分かるのですね』と探るような顔をされ、だから好いているのですか? と瑞波の方に問いかける。  耀は瑞波に柿を分け、銀杏(いちょう)の下で胡座をかいていた。瑞波も近くに鎮座して、夜の逢瀬の最中だ。途端に黙った瑞波であるので、邪魔されたからなのかな、と。何も言わずにじっと見る、未来の伴侶を見た耀だ。  幼い竜神、童子も”じっ”と瑞波の事を見続ける。二人