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めまいと暮らしてゆく方法

「めまいを治す方法」について書かれたものは、世の中にたくさん転がっている。
けれど、今の医療をもってしても良くならないめまいを抱えながら生活している人も確かにいる。
わたしもそのひとりだ。

週に数回の回転性のめまいと吐き気、ほとんど毎日ある浮遊感と悪心にいつも振り回されている。めまい外来でいろんな検査や治療をして、先生と一緒にちょっとでも良くなるように頑張ってはいるけれど、今のところはめまいと暮らすしかない。

めまいに向き合っているわけでも、受け入れたわけでもないけれど、それでもめまいに付き合って一人暮らしを続けてゆくために、いろいろな工夫を積み重ねてきた。

日頃の生活の中でそれを誰かに披露する場はなかなかないし、どれもあたりまえのことかもしれないが、わたしの試行錯誤の跡をここのnoteに書いておこうと思う。

その1
いつでも頓服薬に手が届くようにする

回転性のめまいが起きた時、水が飲める限りはできるだけ早くトラベルミンを飲む。
ぐるぐると回っている時は歩けないことも多く、ときには寝返りすら吐き気のせいで難しくなるから、ベッドから手の届くところにすべての種類の頓服薬とパックのお茶を置いている。

パックだとストローがついているから起き上がれなくても飲めて安心。パックのお茶はお薬を飲むためだけなら子ども用の125mlのものがおすすめ。

ちなみにわたしはトラベルミンを割って飲むこともあるので、半分にしたトラベルミンを小さなジップロック(百均で売ってるミニミニサイズ)に入れてあるものも置いてある。
※トラベルミンを割った時の安定性は保証されていないのでご注意を。

外出の時はお気に入りのかんかんに頓服薬全種類と補聴器の電池を入れて持ち運んでいる。ちなみにわたしはその缶を忘れて痛い目にあったことがあるので、よく使うカバンには予備の薬も別の袋に詰めて入れてある。

その2
水分だけはとる

めまいは重大な病気が隠れていることもあるけれど、そうでないとわかっていれば基本的にめまいそのものだけで命の危機に瀕することはない(と信じている)。
問題はめまいと吐き気のせいで食べたり飲んだりすることができなくなった時だ。
わたしもめまいがあまりにも続き、吐き気が止まらず、何度も吐くのに水すらも十分に飲めない状態が続いたことがある。次第に脱水の症状がでて一時は1人で立てなくなった。
水分をちゃんと摂ったほうがいいというのは周知の事実だが、吐き気が強い時にそれは何よりも難しいことだ。
そこで以下のことを工夫してみた。

水分補給のアプリでカウントする
頑張って飲んでいたつもりでも意外と足りていないことが多くある。食べられていない時はなおさらだ。余裕があればざっくりでも水分補給アプリに記録すると自分の水分の足りなさがわかって知らないうちに脱水にということを減らせる。
わたしが使っているアプリはこれ
→https://apps.apple.com/app/id6447656377

飲みやすいもの飲むといいものをベッドの周りに
起き上がらずに手の届く範囲に物を置いておくというのがめまいが強い時に何より重要なことだと思っている。
私はいつも
・パックの麦茶(250mlと125ml)
・パックのリンゴジュース
・ペットボトルの麦茶
・ペットボトルのOS-1
・OS-1ゼリー
をベッドの横の箱に入れて常備してある。
パックの飲み物はストローであるおかげで起き上がらずにこぼさずに飲めるが、量が少なくそれだけで1日の必要摂取量を満たすのは大変だ。ペットボトルの飲み物も適宜使いながら頑張って飲む。また、OS-1は吸収が速く本当にちょっとしか水分を取れないときの命綱だ。ゼリーなら寝たまま飲める。しかし、ごくごく飲みたくなるほどおいしくはない(脱水の時は飲めるおいしさではあるけれど…)。そういうときはOS-1に限らず飲みたいものを飲もう。リンゴジュースはカロリーもとれて飲みやすくておすすめである(血糖値が気になる人は要注意)。

その3
たべれるときにたべれるものを

ほんの少し回転性のめまいが落ち着いたら吐き気があっても食べられる物を選んでできるだけ食べるようにしている。合言葉は「一口あたりのカロリーがたかいものを」である(ダイエットの真逆)。

ベッドの横には
・チョコと飴
 おいしい。動かず食べれる。
・カロリーメイトゼリー
 ウィダーよりカロリーが高い。
・ウィダー
 いろんな人がくれる。ビタミンのもある。
・メイバランス
 栄養素がちゃんと入っている。
 すごく美味しいわけではない。

冷蔵庫や冷凍庫には
・プリン
 メイトーのかぼちゃプリンが好き。
・茶碗蒸し
 甘い味に飽きた時にいい。
・アイス
 サクレなどはさっぱりして食べやすい。
 バニラアイスはカロリーが高くて便利。
・火にかけるだけでいい冷凍うどん
 ちょっと食べる気が出てきた時にいい。

などなどを元気な時に買いためておいて常備している。めまいがひどい時にわざわざ誰かに買い物を頼んだりするハードルはなかなか高いから、一人暮らしこそ、常備が大切だと思う。
頑張って食べても吐いちゃうかもしれないし、吐き気がある時に食べるのはとても大変だ。
でも、そのひとくちが明日につながるからちょっとだけ手を伸ばしてみてほしいと思う。

その4
転んでもできるだけ怪我をしない部屋作り

めまい持ちであるが故にわたしはよくふらつき、よく転ぶ。
転ぶと痛いが、転ばないようにを目標にすると自然に活動が減り、リハビリ的には逆効果になりそうだと思うので、わたしはもう転んでもできるだけ気にしないようにしている(転んだことを友だちと話す時のネタにすることはある)。
だから、転んでもあざだけで済むように特にベッドからトイレまでの動線には転んだ時の被害が少ないように物を減らした。
着替える部屋のカーペットはバランスを崩してもあまり痛くないように少しやわらかい(やわらかすぎるとバランスをとりにくい)ものを使う。
どうしてもうまく歩けないときは諦めて這ってトイレまで行ったり、どうしても怪我をしそうな時は諦めて座って着替えるが、ちょっと頑張ってみようと思った時に安心できる部屋作りはわたしにとってとても大切だった。
あと地味に動く時は電気を必ずつけるがとても大切(視覚が制限されるとさらにバランスをとりにくくなるから)。

その5
お薬管理はアプリとカレンダー

スマホのアプリは常用薬のスケジュールを入れるとリマインドをしてくれたり、頓服薬を服用した時に記録するとカレンダーで飲んだ日に色をつけて表示してくれたり、さまざまな機能がついている。
飲み忘れが減るのはもちろん、頓服を飲んだ日を記録しておけば、自分のめまいの頻度もわかるし、「頓服どれくらい出すー?」と外来で先生に聞かれた時も大変便利だ。
わたしはiPhoneのヘルスケアを使っているがApple Watchとも連携して通知をくれるのでとても気に入っている。

また、薬の種類が増えるとお薬カレンダーに入れておいたほうがわたしは飲みやすい。1週間分のカレンダーが空になると達成感もあるし、自分の気にいるかわいいものを使えばテンションも上がる。アナログだけどなかなか侮れない。


まだまだたくさんあるが、今回はこれくらいに。
具合が悪い日にこのままめまいが治らなかったらと考えるとどんどん谷の底に落ちていってしまうから、ただ今日を生きて明日にわたしを運ぶことだけを考えて生活している。
今日一日を繰り返した先に少しでもめまいの少ない日々が待っていることを祈って、今日もわたしは水を飲み、ご飯を食べて、薬を飲み、ただ暮らしてゆくのだ。

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