私の情熱、歌うことへの思い:2つのステージでの挑戦
昨日は私にとって、とても充実した一日でした。
2つのステージを掛け持ちし、それぞれ全く違う環境で歌う機会に恵まれましたからです。
1つ目は、日本人会女声コーラス部の一員として、ミュンヘン市内のカトリック教会で行われたイベントでの歌唱。
2つ目は、私が日ごろからお世話になっているボーカルコーチが主催するアットホームな「歌のおさらい会」でのソロパフォーマンスです。
それぞれのステージでの体験と、歌うことへの私の思いを綴ります。
1. 教会でのコーラス:日本語の歌を届ける
日本人会女声コーラス部の活動では、日本語の歌を通じて観客に心を届けることを目指しています。
例え、観客がドイツ人やその他の国籍の人で、日本語を解さなくても、日本語の歌をお届けしています。
この日歌ったのは『荒城の月』『花』『見上げてごらん夜の星を』『いのちの歌』といった、日本人なら誰もが馴染み深い名曲ばかり。日本語の歌詞は私にとって母国語であり、幼い頃から歌い慣れた曲でもあるので、歌詞もわりとすぐ覚えられるし、言葉の意味も十分に理解出来て自然と気持ちが入ります。
そして、歌うときに私が特に大切にしているのは、「歌詞の想いを観客に伝える」ということ。
コーラスの一員として一人飛び出したりしないよう、全体の調和を意識しながらも、自分の感情を少しだけ歌に込めて、観客の心に届けることを心がけています。
今日は、教会という神聖な場所で歌うことで、その想いがさらに深まった気がしました。
2. 歌のおさらい会:パフォーマンスの難しさと楽しさ
2つ目のステージは、12月だし、クリスマス前のシーズンだし、ということで、マライア・キャリーの名曲「All I Want for Christmas Is You」を披露しました。
この曲は、私がずっと歌いたかった一曲ですが、英語の歌詞を覚えるのが苦手な私にとっては大きな挑戦でした。
毎日の練習では歌詞カードを書き写し、さらに、歌だけでなくパフォーマンス全体のバランスも大切に考えるわたしは、マライア本人の動画をみながらダンスの振り付けも真似しようと、楽譜ならぬ踊り譜まで手作りして、何度も繰り返し練習しましたが、本番ではそれらが全て水の泡。
緊張から歌詞が飛んでしまい、慌てるシーンを披露してしまいました。
スローバラードとかならなんとかなるのですが、このマライアの曲はテンポが速く、一度リズムに取り残されると復活がむずかしいのです。
さらに一部では音程がフラットしてしまうなど、自分としては納得のいくパフォーマンスではありませんでした。
それでも始まり部分のヴァースはかなりいい線いったと思いますし、曲の最後の高音のところもちゃんとヒットして、私は全体としては、この経験を「楽しい挑戦」として受け止めています。
赤い別珍のドレスに、白いファーの襟巻というクリスマスらしい衣装をまとい、歌詞カードを頼りながらも観客に笑顔で歌いかける自分。その姿を見て、少しでも観客が楽しんでくれたなら、それでいいと思うのです。
3. 歌うことの意味:残りの人生を楽しむために
そもそも私が歌う理由は、「やらないで後悔するより、やって失敗した方がいい」という思いからです。
完璧を目指すよりも、今できる精一杯で表現すること。その結果がどんなに散々でも、挑戦しないままでいるよりは、ずっと心に残るものがあります。
20年後か30年後か、あるいは明日突然やってくるかもしれない、人生の終わりの時を迎えたとき、失敗や不完全さを後悔するよりも、「あの時、思い切り歌ったな」と笑える記憶を持っていたい。
それが私にとって、歌うことの最大の意味です。
そして、少しでも観客を楽しませ、エンターテインすることができたなら、それで十分。
「エンターテイン」というのは、わたしの生きる上での、大きな部分を占めるキーワードのような感じです。
おわりに:歌うことへの情熱を再確認
教会でのコーラス、そして歌のおさらい会。
それぞれ違う環境で歌うことで、自分の中の「歌うことへの情熱」を再確認しました。
歌は、ただの自己表現ではなく、聴いてくれる人との心の交流。その場にいる全ての人と音楽でつながれる瞬間が、私にとっての喜びです。
これからも、たとえ散々な結果になったとしても、自分らしく歌い続けたいと思います。