トランプ氏の再選を助けた写真
大差はともかく米大統領選の結果について驚いた人は少ないのではないだろうか。いろんな要因が指摘されているが、元職の大統領を相手にするにはハリス氏には時間がなさすぎたように思える(時間があれば勝っていたという意味ではない)。
さて、大統領選で印象に残った写真は、間違いなくペンシルベニア州での暗殺未遂事件直後に撮られたものだろう。耳から血を流したトランプ氏がボディーガードらしき人たちに囲まれて拳を突き上げ、その背後には星条旗と青い空。カメラは低い位置にあり、トランプ氏を見上げるアングルだ。一度見たら忘れられない人もいるかもしれない。この写真が話題になったのは、第二次大戦末期に硫黄島で米兵が大きな星条旗を立てる写真と比較されたことも大きな要因だ。
当然フォトグラファーは違うものの、両方ともAP通信が撮影・配信している。硫黄島の写真は、初めて星条旗を立てた時ではなく(その時は旗が小さかったとか)、改めて大きな星条旗でやり直した時に撮影したもの。いずれにしろクリントイーストウッド監督の映画で硫黄島の星条旗はよく知られているかもしれない。
トランプ氏の写真も報道やソーシャルメディアで話題になった。トランプ氏には、支持者からか、絵にしたものが送られてくるという。マグショットが公表された時もあったものの、その時はもっと小規模だったという。
カメラを睨みつけるマグショットもかなり強烈な印象を与えるが、やはり暗殺未遂の方が選挙戦にはインパクトがあるだろう。YouTubeやTikTokなどソーシャルメディアも映像が主流になりつつあるのかもしれないが、一流のフォトジャーナリストがとらえる一枚の静止画の影響力は今も大きい。