運命は、確定しているか
本やWebなどで量子力学の話を読むと考えさせられる。
ボクたちの運命は確定されたものではなく、人間の自由意志によって好きなように変えることができるというが、それは本当だろうか??
何となく、「好きな時に好きなことをする」ということが自由意志のように思ってしまう。けれども「好きなこと」というのはどういうことか?
例えば、イチゴ味とミント味の2つのお菓子があってどちらか好きなものを選ぶとしたらどれを選ぶ?どうやって決める?
「味が好きだから」とか、「懐かしい味だから」とか、あるいは「何となく」という理由かも知れない。いずれにせよ、突き詰めていくと「好きだから」という理由にしか行き当たらないのではないだろうか。そして、なぜ好きなのかという理由を説明出来ない。
結局のところ、選ぶという行為自体は自由意志ではあるものの、選ぶための判断は、突き詰めれば「好きだから」という他に無い。つまり、自分の自由意思で運命を選択しているように見えて、実は説明できない感情によって選ばされているに過ぎない。だから、好きなことをするのが自由意志というのは、ちょっと違うかなと思うわけだ。
もし人が運命を切り拓くとすれば、好きではないことであっても飛び込んで行くことではないだろうか。それこそが、自由意志というものではないだろうか。
ただ好きなことをして幸せに暮らすだけであれば、そこに自由意志など無く、運命というのは決まった単一の世界(ユニバース=単一宇宙)となるだろう。
しかし「何かを成し遂げたい」と思う心をもって未来に向かって進むのであれば、その先は確定されたものではなく、大きな世界(マルチバース=多元宇宙)を生むのではなかろうか。