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写真を成立させているもの
ここに1枚の写真がある。
これは、ボクの子供が病院で新生児検診を受けている様子である。一見すると何の変哲も無いカットに見えるが、そうではない。
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この写真を撮るにあたり、ボクは中判(66判)の大きなカメラを出して先生に撮影の許可を求めたところ、ただ許可するばかりか「こちらに回り込んで撮ったほうがよく見えるんじゃないですか?」とまで言って頂いた。
写真撮影というのは、時に様々な人たちの協力や厚意のもとで成立しているところがある。この写真を見るたび、ボクはそういうことを思い出す。
検診が終わった後、先生は振り返って「良い写真が撮れましたか?」と言ったことまで、まるで昨日のように思い出す。
ちなみに、この子供は先生の検診のおかげもあり、今では健康で立派な成人に成長したことを申し添える次第。