ストロボライティングで撮るクラシックカー(オールドカーセンタークダン)
福島県双葉郡に自動車博物館「オールドカーセンタークダン」がある。今回、ここでストロボライティングによる撮影を行った。
当初、天井によるバウンス発光を考えており、多少天井が高くとも最大出力で強引なライティングで何とかなるかなと思っていたのだが、現場で見てみると天井面が暗い色だったので、さすがにバウンスは無理だと諦めた。
そういうわけで今回、ここでは急遽ストロボをダイレクト発光(直照)させて撮ることにした。
なおストロボ撮影をする理由は、水銀灯などの緑色の色被りを無くすためである。フィルター補正やホワイトバランス調整によってニュートラルな色合いに近付けることはできるかも知れないが、撮影用でない室内灯では色が偏っているというよりも一部の色が欠損していることが常で、補正では完全に正確な色は出せない。
また室内灯の光量レベルにカメラ露出設定を合わせると、上部窓からの外光による色の違いが少なからず影響してくるのが厄介だ。
だから、室内灯と外光の影響が無くなるくらいに露出設定を落とし、その状態でストロボ適正となる発光をさせれば色が正しく出ることになる。
ライティングとしては、基本的にメイン+サブ+クリップオン補助の3灯で照明した。基本的に正面を斜めからライティング、そして側面を照り起こす。
博物館だけに展示車同士の間隔が狭く、ライトスタンドの転倒の危険性を考えてバンクは使わず直照とした。
下の写真の車は、世界最初のロータリーエンジン車とのことで、過去にカー雑誌の取材も受けたものらしい。
館長と話をしながらボンネットをオープンしてロータリーエンジンを見せてもらったが、ここは会話中でとっさに正面からのクリップオンストロボ直照となった。そのせいで、撮影距離の近いボンネットが明るくなりすぎている。
なお、ここの展示車のほとんどのボンネットが半オープン状態になっているのだが、これは説明時に外側から開けやすくするためとのこと。
この博物館で一番色鮮やかなのがこのシボレー・ベルエア。
水銀灯ではこの色は絶対に再現できない。
メルセデスベンツ220SCは、アイボリーな微妙な色合いとクロームメッキパーツの取り合わせが上品で美しい。この色合いをストロボ無しで得るのはまず不可能。できることなら大型バンクを使って照明したかった。
ここでの滞在は館長との話がほとんどだったせいか3時間ほどとなった。
車入手経緯の話、保管の話、福島原発事故の話、閉鎖中のアライグマ侵入の話等々、色々と伺った。
さて外に出て改めて見ると、W123前期モデルが置いてあった。
このタイプはホイールキャップと同色なのが良い。
帰り道、W205をストロボライティング。
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