ストロボライティングで撮る花008(茨城県植物園)
この日は雨のが降ったりやんだりという天候の中、濡れた花を撮っていった。雨の日は空の光が弱いのでライティングには最適。
●カボチャの花
カボチャは地面を這うようにして伸びていくので、カメラは地面スレスレに構えて撮る。
照明は、斜め正面から1灯をバンクで、背後からダイレクト光で1灯というのを基本としている。
●フクジンソウ
これはショウガの仲間であるが、ショウガの仲間は花の質感が独特で、表面の質感と透明感の両方を表現したいところ。そのためには、照明の角度だけでなく、2つの照明光の比率が重要なファクターである。
●サンジャクバナナ
温室に入って最初に眼に入るのがこのバナナ。バナナの実は意外と角張っているので、その様子を表現してみた。
●パイナップル
花の終わった直後のパイナップル。鮮やかな花が無く、パイナップルらしい実でもない。中途半端ではあったものの、基本的な色合いはパイナップルそのもの。
●マレーシアシャクナゲ
花の形はもとより、複数の花の付き方が立体的なのが面白い。質感も上品で美しい。白い花はちょっとした露出の失敗で階調が飛び易いので照明の調整はかなりデリケート。
●デュランタ
背景を単純化してメインの被写体だけを浮かび上がらせるのがストロボライティングの目的の1つ。ここでは温室の天井部が切り絵のようになった。
●ルリマツリ
このルリマツリは床に近いところに咲いていたので、あえて床に光を当てて、その場所の空間を表現した。
●ストレリチア(ゴクラクチョウカ)
ストレリチアのシャープな印象を表現するには、真正面からライティングするよりもエッジを浮かび上がらせるほうが効果的。
●キバナコスモス
黄色い色はデジタルカメラで撮るとなぜか階調が飛び易いように思う。これはフィルム撮影の時にはあまり経験したことがない。
●ヒガンバナ
ヒガンバナには葉が無い。
いや、葉は後から伸びてくるのであって、花の時には葉は無い。
そのため緑色の葉をバックにしてヒガンバナを撮るとすれば別の植物の葉を借りるしかない。
ここでは、アジサイの葉が背後にあるヒガンバナを撮った。この手法は「他人の衣装借り」と言う。
それから下の写真は、野草園コーナーでヒガンバナが1輪だけ咲いていたものを撮った。
ヒガンバナは群生していることが多く、全体を撮ろうとすると他の彼岸花が一緒に写ってゴチャゴチャしてしまい、まとまりが無くなる。
このように1輪だけで咲いているところを撮ると印象的になった。
●ツルボ
ツルボは、タンポポのように雑草の扱いだとは思うが、マクロレンズで大きく写すとそれなりの存在感があって良い。色も印象的。
ただし小さいだけに照明はかなり難しい。なぜならば、植物の大きさに比べて照明面積が大きすぎるので、立体感を出すにはバンクを遠く離す必要があり、結果的にストロボの出力が要求される。
●キノコ
キノコは同定が難しいのでここでは「キノコ」と総称するが、雨が降ったりやんだりという中で生長したのだろうか、かなりのキノコが野草園コーナーに現れていた。
キノコは特に地面スレスレに撮らなければならないので、カメラも背面液晶が自由に動くタイプのものが必要となる。