県境の集落。
県境。
何は無くとも、ソロツーで行きたくなるのが県境です。
こと長野県の場合、県境は山に囲まれた土地柄ゆえに峠越えまたはどん詰まりになります。
これ以上奥に集落の無いところ。
地図上の境界線だけではなく、文化も雰囲気も変わるところ。
少しの閉塞感と、変化への期待と。
そんな高揚感と、いわゆる僻地の暮らしぶりへの興味関心。
それから、山深いことから、自然のエネルギーの凄まじさを肌で感じられる場所でもあります。
山体崩落痕。
土石流により埋まってしまった集落の話。
限界の暮らし。
緊張感を感じさせる厳しい場所に身を置くのが、ツーリングの醍醐味です。
長野県北安曇郡小谷村の林道二つを走り抜けた後、新潟県糸魚川市平岩駅から、長野県側へ入り戻しました。
わざわざ迂回したのではなく、小谷村北端の大綱集落から国道148号へ出るには、糸魚川市の平岩集落を通らないとならないのです。
↑見出しの画像はJR大糸線の平岩駅です。
いい雰囲気というと叱られそうですが、昭和感の濃い雰囲気に、
ココロ掴まれてしまいます。
古い漫画ですが、つげ義春の世界観がそのまま残るような集落は、まだまだあります。
前回少し触れましたが、人の死にまつわる出来事に、事の正悪ではなく人の業や情を官憲や医師が判断基準とするようなことが、少なくとも平成に入ってからも起き得る集落もあります。
県境の橋は、度々流されたり。
沢は土石流で14人の犠牲があったり。
村中にある砂防インフラや防雪インフラを逆手に、普段立ち入り禁止のこうしたインフラや崩落痕や雪崩痕を見学するツアーを村の観光協会が企画しています。
ウェブ上で募集開始してあっという間に定員に満ちてしまう人気ぶりで、私も今年の2月に雪崩痕と防雪施設巡りに参加、内容の濃密さとマニアックさに加えて配布資料の素晴らしさに惚れ込んでしまいました。
参加者も、ダムカードの発案で有名な元国交省の方から、ダム巡り廃墟廃道界隈マニアから一流カメラマンから何やら目付き身のこなしに一癖ある方々ばかり。
私は、そうした人たちの会話や動きがとても面白かったです(笑)
来月も、新企画のツアーがあるというので参加してきます。
林道巡りと合わせて7時間、206.6km。
タイカブ、山岳路をマイペースで走るのに疲れないですね。
とても良いです。