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「自分を否定する」ことに疲れたので

自己否定について再度考えてみた。

否定する必要はあるのか?

自己否定は必ずしもマイナスを示す結果ではない。
自分を顧みて、ダメなところ・嫌なところを修正し、アップデートする。自分を好きになるうえでも大切なプロセスだし、「成長」であるといえる。
したがって、否定は時に有用で、必要であると思う。

否定の程度

ただし、心に留め置かなくてはならないと感じるのは、その否定量である。
過剰な否定につながれば、それは謙虚ではなく卑屈であり、成長ではなく「どうせやってもだめだから」という逃避につながる。
これは否定の有用性を排除してしまっているし、行ったところで意味はない。また、付近にいる人間に対しても「あぁ…またかこいつ…」という疲労感を味わわせることになるだろう。

では、どのように程度を見積もればよいのか。

否定の程度を見積もる

ざっと思いつく限り、下記の3つの視点をもって、「否定しすぎていないか」を考えることが有用ではないかと思う。

  1. 前提を定義する:必要最低限はできている、それ以上の否定は不要
    もしこの記事を読んでくださっている方がいるとして、その方のご年齢がわからないが、ある程度年齢を重ねた人間の場合、最低限の分別はまずあるのではないだろうか。
    あれがだめ、これがだめ、と言いたいのはわかるが、社会に迷惑をかけない程度の判断はできるし、行動もできる(と、信じている)。
    その場合、"必要最低限"のスキルは身につけているはずだし、これ以上のスキル知識等は「+α」の存在である。その「+α」を否定することはまず必ずしも必要とはいえないのではないだろうか。

  2. 目的を確認する:自身が本当に必要としていないことで否定しない
    「あれもできていない」「これもできていない」を考えることが発生するとして、一度立ち返りたい。「そのスキルは本当に必要か。」
    例えばテレビなどでプロのトランペット奏者を見たとする。
    ああ、かっこいいなあ。
    そして思う、「自分はなんてダメなんだろう」。
    だけど、自分の人生で、「トランペットを演奏する技術」は必要だろうか?「舞台でかっこよく振る舞う技術」は必要だろうか?
    必要なら見習って身につければいいが、おそらく大半の人には必要のない技術ではないだろうか。
    本当にトランペットで食べていきたい、など思わない限り、そこで自分と比較する必要はない。
    人生は有限だ。技術は一朝一夕では身につかない。この二つを掛け合わせて出てくる答えは、「やるべきことを精査しないと、自分の人生ですべてを身につけること(場合によっては本当に必要な技術を身につけること)が時間という物理の面で、達成不可能になってしまう」ということではないだろうか。

  3. 対象を確認する:人格の否定にすり替えない
    「英語ができない」「数学ができない」について、否定することはまだいい。そこから飛躍して、「自分はなんてダメなんだ」になるとおかしい。
    英語ができない=ダメ人間としてしまうと、英語に触れることのない地域の人間はみんなダメ人間になってしまう。
    学校や会社という「英語を必要とされている」環境であっても、たとえば帰国子女の新入社員と、片言英語の社長、どっちがダメ人間か、という質問はナンセンスだろう。
    技術知識がないこと=人間として劣っていることではない。
    確かに知識教養は人としての価値を深めてくれるかもしれないが、たとえば30年、一生懸命生きていれば知識がなくとも得られる経験はある。それを一概に「ふん、貴方って枕草子も知らないなんてダメね」なんて言えやしない。
    つまり、「スキルがない」ことから、「自身の否定にすり替わってないか」という点は気を付けておいた方がいい。

当たり前のことかもしれないが

行き過ぎた否定は身を亡ぼす。
自分がどうこうなるだけならいいが、
関わってくれる大切なひとも疲れさせる。

気分が落ち込んだらまず上の3つを考えてみる。
これは有用かもしれない。

最後に

いささか関係ないが、LINEの返事が遅い友人がいる。
私に興味がないのかな、なんて卑屈になって考えていたものの、やりとりを見返すと、「即レスしている私=余計な事や、後から考えるとよくない言い回しを使っている」ことがままあり、「レスが遅い友人=基本的に余計なことは言わないし、相手に配慮したコミュニケーションが取れている(ように感じる)」。
会社では「即レス」が重宝されることが多いが、友人との会話でそんなに喫緊の課題はそう上がってこない。
大事なことを決めるときにだんまりされるのは腹が立つが、そういう場合でない限り、会社という一部で重宝される即レスが、相手を傷つけうることもあるのだな、、と学びつつ、今日も彼からの返事を待っている。(笑)

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