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学校保健授業実践          ~保健医療、社会の仕組み~

楽しい保健の授業がなかなかできない。ずっと、そんな思いがありました。また、なかなか課題解決的にならない、こんな思いもありました。
しかも「保健医療なんて、たのしくできないよ」と考えている自分をなんとかしようと思って作った案です。
皆様から意見が聞けたら嬉しいです。

授業を受けているつもりで、読んでくれたら嬉しいです。

みなさん、これからランキングを見せてきます。
何のランキングが解りますか?

97位:ロシア    75位:ブルガリア   67位:ブラジル
どうでしょう?この時点でなんのランキングか解ったら、鋭いです。

もう少し見ていきましょう。
58位:ハンガリー  48位:中国      40位:アメリカ
人口?なんだ?もう少し見ていきます。

36位:チェコ    24位:ベルギー    11位:フランス
あっ、アイスをたくさん食べる国!では、ありません。
なにかわかってきましたか?

では、続いて
4位:シンガポール  

罰金が高い国?犯罪発生率?違います。
3位:(韓国)      
2位:スイス    
1位:(日本)

ここまでくれば解るでしょうか?


正解は「平均寿命です。」

皆さん、日本の平均寿命が長い理由は分かりますか?
今日は、どうして、これほど日本の平均寿命が長いのかまとめていきます。
授業では、こんなふうに投げかけて生徒の活動に移っていきます。

<生徒の学習活動>
○教科書を読む。 ○インターネットで調べる。○上位国の共通点を探す。
○仲間と調べたこと、解ったことについて話し合うことで、新たな学びに繋げる。

といった活動を行うと以下のような意見が出てくると予想されます。
生徒たちの意見(予想)
○医療の充実               ○衛生面のこと
・最先端の医療が受けら得る。        ・水が綺麗。
                      ・大気がきれい。
                      ・健康的な食事
○医療制度、保証             ○社会の安全性
・保険制度の充実。費用の低さ。       ・治安が良い。
・検診がある。               ・交通網の整備
・心身の健康について相談できる       ・衛生管理の基準が高い。
意見をまとめるとしたら、つぎのようになるでしょうか。
様々な要因、多くの人をカバーできる社会保障があるから、日本の平均寿命は長くなっていることが分かる。」

発表されたことを黒板にまとめて、1時間目は終了します。

ここからは2時間目。授業が始まったら、次のような話をします。
教師:前回は、平均寿命の長さに様々な要素が関わっていることが分かりましたよね。
ところで平均寿命とならんで、その国の人々のある寿命を表す言葉があるんだけど知っている?○に入る言葉分かるかな?
 
「○○寿命」   どうだろう?

 ~生徒たちの反応を見る~

正解は「健康寿命です」
 健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。」この健康寿命のランキング上位三カ国は、平均寿命と同じです。具体的な年齢は以下の通りです。
            平均寿命     健康寿命
     3位:スイス、83.3     73.1
     2位:韓国、 83.4     73.6
     1位:日本  84.3     74.1

教師:何か気づくことはありますか?
生徒:10歳くらいの差がある。

教師:みんななるべく健康に、制限のない生活を送りたいのではないでしょうか?自分で自由に動けない、人の手を借りるよりも、自由に生活したいと思うのが多数意見ではないでしょうか。
そこで、どうすれば、平均寿命に健康寿命を近づけられると思いますか?この表にある「10歳差」をうめるための方法を、みんなで考えましょう。

ここから、生徒の活動です。自分達で調べたり、考えたり、話し合ったりしながら、健康寿命を延ばす方法を考えて、提案を創っていきます。
すると、次のような案が出されると思われます。

生徒たちの意見(予想)
○医療の充実               ○技術の活用
・検診の広報                ・介護ロボット開発、活用
・自宅でも簡単な診断ができるAI活用    ・見守りカメラの設置    
・薬剤の開発費、増額            ・ドローンを使って買い物
                       
○環境整備                  ○社会、自治体で
・運動する場所の確保。           ・おしゃべりの場を設定
・各種教室開催(太極拳、ゲートボール)    ・子供と遊べる場の設定
・転倒防止の道路。             ・お助けチケット配付
・誰もが住みやすい町のデザイン       ・健康な人に懸賞金

自分のアイデア、現状の把握、分析、課題の洗い出し、解決方法を調べたり、話し合ったり、考えありして自分の「健康寿命を延ばす方法」のプレゼンをつくっていく。
2時間目は、プレゼン資料を作って終わり。

3時間目は、小グループに分かれて、プレゼン。プレゼンが終わったら、質疑応答をする。
※質問する力も付けておくと議論が活発化する。
質疑応答を経て、自分のプレゼンを修正。その後、振り返りをして、三時間完了。
 プレゼン資料は、学級のクラウドで共有。
 また、小グループの中で良かった発表は、全体の前で発表。
 ここまで行うと、4時間は必要になりそうです。

このような形を取れば、課題解決的で、クリエイティブな授業になりそうです。この展開をまとめたものは添付しました。
案について感想を頂けると幸いです。


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