今現在私が社交不安障害のために行っていること
これまでは、過去のことについて話してきましたが、色々と長くなりそうで書くことが嫌になってしまいそうだったので、現在のことについて話したいと思います。
今現在、私はニート状態で就労支援を受けながら就職を目指しています。
そんな私は、普段の生活の中に、ACTと暴露療法を取り入れて、汗と就活への恐怖に立ち向かっています。
ACT(Acceptance and commitment therapy) について
ACTは第三の認知行動療法と呼ばれるもので、最近カウンセリングや精神科でもよく取り入れられている心理療法です。
簡単に私の言葉で説明させて頂くと、
今現在をマインドフルに生き、ありのままの自分を受け入れることが可能になることで、不必要な思考や感情から抜け出しやすくなり、歩みたい人生を送れるようになる心理療法
だと思っています。
よくわからないと思うので、このACTが私の生活にどのように役立っているのかを説明したいと思います。
発汗恐怖を患っている私が満員電車の中で汗をかき始めた時の場合
ACTを知る前の私
汗が出てきた時の反応:
“まずい。汗が出てきた。どうしよう。途中のトイレが近い駅で降りよう”
OR
“誰も見ないでくれ。早くついてくれ。”
ACTを実践し始めた後の私
汗が出てきた時の反応:
“あ、『周りの目が気になる』思考に囚われたな。”
OR
“『汗をかいたらどうしよう』という思考に気がついた“
(本当は、少し複雑なテクニックを使う場合もあるのですが、分かり易いように、今回は省かせていただきます)
このように、ACTを使うことで、自分の思考や感情と距離を置くことが可能となります。
微妙な違いに感じるかもしれないのですが、この違いが自分の行動に大きな影響を与えます。
ACTを実践して、電車内で汗をかいても全く気にならなくなりました! と言いたいところなのですが実際はそんなことありません。
いまだに、気になってしまうことはあります。
それでも、人の目にとらわれすぎることなく、今現在、自分がしたい行動を取れるようになっている機会が確実に増えていると感じます。
電車の場合だと、汗が出てきたからといって、途中で下車をすることが無くなりましたし、人目を避けるように下を向くことも無くなりました。
本当に、生きやすくなりました。
この心理療法は発汗恐怖だけではなく、社交不安障害全般、PTSD、うつ、パニック障害、心配性の人、嫉妬が激しい人、短気な人、ありとあらゆる悩みを抱える人に役立つ心理療法です。(実践したからこそわかるのですが、本当に全ての人に試してもらいたいです)
そんな上手い話があるわけないと、思われるかもしれませんが、何千もの研究データで証明されているらしいです(Happiness Trap 2 参照、リンク貼っておきます)。
https://www.amazon.co.jp/Happiness-Trap-2nd-Struggling-Living/dp/1472147170
とは言っても、最初はこの心理療法に対して懐疑的でしたが、当時の自分には、ACT以外に選択肢がほとんど残されていなかったのです。
ACTに辿り着くまでに、いろいろな薬、心理療法、胡散臭いまじない的なもの、たくさん試してきました。
抗不安薬、抗うつ薬、ポジティブアファメーション、CBT、ドイツの精神科によって作られた心理療法(名前はわからない)、スーパーマンポーズ、引き寄せの法則、流行っている自己啓発本に書かれていることの実行。
思い出せないだけで、まだまだあると思います。
最終的に、辿り着いたのがACTでした。
しかし、このACTは一つだけ難点があります。
練習がかなり必要だということです。
特に、マインドフルネスと脱フュージョン(ACT用語)のトレーニングは時間がかかると思います。
私の場合、このACTについてある程度理解して、それが普段の生活に役立っていると実感するまで、2、3ヶ月くらいかかりました。
皆さんは、もっと早く効果を実感し始めると思いますが、それでもある程度は時間がかかると覚悟して挑む必要があると思います。
ACTについての詳しい説明は、私がするよりも、本で読んでもらった方が断然理解しやすいと思うので、今度の記事で詳しく紹介させて頂きます。
暴露療法について
暴露療法は、自分が恐れている状況に自分自身をあえて晒すことで、恐怖の克服を目指す治療法です。
私が最も今恐れていることは、“汗” と “就活”です。
因みに、一番恐れている状況を具体的に説明すると、
汗の場合、“汗をかいた状態で、女性と一対一でたくさん人がいる場所を歩くこと”
就活の場合、“自分で受ける企業を決めることと自分が書いた履歴書と面接内容に対してネガティブな判断が下ること”
になります。
小さい暴露を積み重ねながら、これらの一番恐れている状況に立ち向かうことができれば、社交不安障害を克服したと言っても過言ではないでしょう。
具体的に今やっている暴露療法もこれからどんどん書いていきたいと思います。
実は、私自身、暴露療法を3年ほど前にやったこともあったのですが、すぐにやめてしまいました。
その時通っていた精神科のカウンセラーには、“自分が恐れている状況に立ち向かう時、自分に意識が向き易いので外に向けると良いよ”とアドバイスされましたが、
“怖いからやめたい”という気持ちが自分の中でどんどん大きくなって、すぐにやめてしまいました(多分3、4回くらいしかしなかった)。
今だから、分かることなのですが、どれだけ自分に意識を集中しないようにしていても、結局、人は自分に意識が向いてしまう生き物なのです(別に社交不安障害の人だけに関わらず)。
皆、自分と人を比べて、容姿を磨き、評判の良い会社に入りたがり、良い家に住みたがり、給料を少しでも上げたがります。
これはどうしようもないのです。
こんな考えをACTで対処する必要があるのです。
暴露療法は、社交不安障害の治療において間違いなく、一番強力で効果のある治療法だと思います。
実際に、現在通っているカウンセラーには、暴露療法でしか社交不安障害は治らないと言われたくらいです。
しかし、同時に一番心理的障壁が高く、ストレスがかかる治療法であることも事実です。
ACTを取り入れずに、暴露療法をやることは辛いし、私のように途中でやめたくなる可能性も高いのではないかと思います。
自分の場合、ACTを取り入れることで、人から〜と思われているかもしれないという思考、不安、怒り、緊張、恐れに捉われることなく暴露療法をやることが可能になりました。
もし、今現在社交不安障害で悩まれている方がいたら、ACTと暴露療法のセットはものすごくおすすめです。
最後になりますが、汗に関して言うと、悩み始めてから13年経ちますが、今が一番汗と上手に付き合うことができていると感じています。
何としてでも汗を止めたい状態が、多汗も自分の一部だよねと受け入れられる状態に徐々に変化してきていると実感しています。
また、就活に関しての悩みは、手探り状態ですが、ACTと暴露療法を使い前進していくつもりです。
長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
社交不安障害で悩まれている人が、少しでも楽になることを願っています。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!