憧れの尾道への旅――2023年の振り返り
去年の今ごろ何していたかな。
そう言えば、尾道に行って、こんな記事を書きました。
尾道は、大林宣彦監督の3部作である『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の舞台で、昔から私の中で憧れの地でした。
どの映画もどこかさびしげでノスタルジック。いつか訪れてみたいとずっと思っていたのです。
私が生まれ育った場所は北関東で海と言えば大洗。波が荒いことで有名で、サーファーもよく訪れる地ではないでしょうか。
憧れの気持ちは遠くにあればあるほど、強くなるものです。
広島の知人を訪ねる機会があり、ついでに尾道に立ち寄ることにしました。
千光寺山を、記事のとおりにロープウェイを使わずに階段を上りました。真夏で汗だくだく。でも、上りきった頂上では瀬戸内海の穏やか海が広がり、疲れも感じません。頂上まで歩いても30分ぐらいだからちょうどよかったのです。
坂の途中には、小さい路地がたくさん。途中行き止まりになる道も。人々がここに住んでいる実感がわいてきました。路地を歩いていると、猫もひょっこり顔を出すので、猫好きにはたまらない街なのではないでしょうか。
頂上付近には「尾道市立美術館」があり、入り口にはこんな大きな猫のオブジェが!
旅では、その土地の美術館に入るのも楽しいものです。
日常を離れてゆっくりと美術鑑賞に浸れるから。
ガラス張りの美術館では「超・色鉛筆アート展 〜神ワザ12人の彩りスタイル」という企画展が開催中でした。色鉛筆でこんな緻密な作品が作れるの! と驚きながら一つひとつじっくりと鑑賞しました。
尾道には、おしゃれなカフェが点在しているのも、見逃せないポイント。
レトロなものから現代的なカフェまで。
私たちが立ち寄ったのは、ゲストハウス付きの古民家カフェ。
海を見ながらちょっと一休み。みかんのジュースが美味しかったなぁ。
夜にはこちらのお店で海の幸を堪能しました。
海に近い町で育ったので、海産物が新鮮なのは嬉しい。
お刺身やタコの揚げたもの、全て美味しかったのですが、魚のすり身を揚げたはんぺんの味が忘れられません。
なぜか写真が残っていないのが、悲しい。でも、心にはしっかりと刻まれています。
大林監督が生まれ育った地。『放浪記』で有名な作家・林芙美子も暮らしていた地。この風景をどんな思いで眺めていたのか、どんな思いでこの道を歩いていたのか。著名な方の暮らしを、あれこれ心に思い描きながら街を歩くのも楽しいのでした。