【名盤伝説】 “Jeff Beck / Blow By Blow” 世界中のロックファンが唸ったベックの新たなギターサウンドへの挑戦。
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ロック界3大キダリストのジェフ・ベック『Blow By Blow (放題: ギター殺人者の凱旋)』(1975)です。
伝説のバンドヤードバーズ脱退後、常にロックギターの可能性を追求し続けていたベックにとって、ボーカリストを含むバンドのメンバー構成は積年の課題でした。ジェフ・ベック・グループと称して幾多のメンバーチェンジを繰り返し、BB&Aにたどり着いたものの、メンバー間の仲違いでこのバンドも解散してしまいます。
そんな中、斬新なアプローチでジャズとロックを融合させたジョン・マクラフリン(G)率いるマハビッシュヌ・オーケストラに触発され、そのアルバムをプロデュースしたジョージ・マーティン(ビートルズのプロデューサーとして有名。5人目のビートルズとも呼ばれ、その作品への影響力は多大なものがあるとされている)に制作を依頼してアルバム作りを始めます。
確かにこの「Hymn to Him」のギターパートは、その影響を感じます。やや長いので途中で飽きないように耐えてくださいw。
そしてリリースされたベック渾身の新作は、世界中のギタリストを驚かせました。全曲ギターメインの歌なし曲で構成され、マハビッシュヌ…で聴かせられるようなクラシカルで難解なものではなく、メロディもわかりやすくポップな一面も見せながら、ロックな音色でジャズのようなインプロヴィゼーションもふんだんに織り込まれている・・・様々な要素が混じり合う新しいクロスオーバーなサウンドが生まれた瞬間です。改めて聴くと、オーケストラアレンジは確かにジョージ・マーティンっぽさが感じられますね。
アルバムは大ヒットとなり、こうしたアプローチは瞬く間に時代を席巻しました。ジャズ界からロック的なアプローチを、その逆でロック畑からジャズ的アプローチを見せるギタリストやバンドが数多く出てきます。
日本でもこの影響を受けたバンドとして、別記事で紹介している日本のフュージョンバンドの草分け的存在のPRISMはその代表と思います。
こうした異種格闘技のような音楽的挑戦はインスト物だけでなく、歌ものポップスのバックアレンジやR&Bにも広がりを見せて、まさにクロスオーバーな時代の到来と言えると思います。こうしたクロスオーバー(交じり合い)は、その後さらに進化してフュージョン(融合)と呼ばれるようになり、こうした流れはその後の音楽に大きな影響を及ぼし続けます。
そんな時代でも、一方では頑なに従来のスタイルを堅持しながら、その世界観を進化させていくミュージャンも数多くいます。このアルバムがリリースされた1975年は、音楽界全体を革新へと導く強力なエネルギーが渦巻いていた時代だったようです。
ちなみに日本でもロックからフォークから今話題のシティ・ミュージックの原点というべきものまでざくざくです。
この年、私は高校入学の年。リアルタイムでは欲しくても買えなかったアルバムばかりです。社会人になって数年は、過去の怨念晴らしwのために散財する毎日でした。でもそれが決して散財だったとは思えないほど、素敵なアルバムばかりですね。とても大切な音楽財産です。時代がDXだAIだとかと進化しても、そんな技術を越える匠の人間技による宝物を次の世代にも繋ぎたいと思います。
アルバム収録曲の紹介は割愛させていただきます。アルバム全曲好きです。今でも通して何度でも聴けます。noteにはこのアルバムの詳しい記事が溢れていますので、そちらをご参照ください。皆さん本当にお詳しくて脱帽です。
1970〜80年代の洋物ROCK系のミュージシャンやアルバムを紹介しています。よろしければどうぞお立ち寄りください。
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