【名盤伝説】”Herbie Hancock / Lite Me Up” ハービー流ファンク・ミュージックの快作。
MASTER PIECE ハービー・ハンコックはUS出身のジャズ・ピアニストとして有名で、キャリアも実績も、まさにジャズの達人です。彼の飽くなき探求心と好奇心でジャズを基本としながらも、様々なテイストの音楽と融合を試みていきます。そんな彼が1982年にリリースしたアルバム『Lite Me Up』です。
プロデュースは自身で手掛けるも、LAシーンを中心とした人気ミュージシャンで制作されたアルバムは、従来のハービーのファンには不評でしたが、AORファンからは絶賛されました。
オープニングのM1は、R&Bファンクの名コンポーザーロッド・テンパートン作。タイトなリズムにのせたファンキーでボップなナンバーです。いきなり唸るギターはTOTOのステーブ・ルカサーです。
LP-A面ラストは、食い気味のピアノリフにのせたバラードM4。アレンジはデヴィッド・フォスター。ドラムは複雑なリズムを物ともせずにグルーヴ感を醸し出すTOTOのジェフ・ボーカロ。ベースは重鎮エイブラハム・ラボリエル。オブリガートのギターはジェイ・グレイドン。バッキング・ボーカルにはビル・チャンプリン、リチャード・ペイジ、ベネット・クラウドの鉄壁のハーモニー。こんな豪華な布陣を起用できるのも、ハービーの実績が為せる業ですね。
そしてこのアルバムのハイライトM5。プロデュースとドラムを担うのはファンク界の帝王ナラダ・マイケル・ヴォルデン。彼らしい華麗なブラス・セクションに乗せたポップなサウンドは、時代のコンテンポラリーなソウル・ミュージックの典型と言えると思います。
アルバムラストのM8はブルージーでミディアムテンポのナンバー。ボコーダーでの男女のデュエットという大胆なアレンジ。相方はパトリース・ラッセンという豪華なキャスティングです。
ジャズ界の大御所ハービーの名前に全く相応しくない、豪勢でファンキーでポップなソウルアルバム。私は大好きです。
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