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【名盤伝説】”Eagles / The Long Run”

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。USウエスト・コースト・ロックの雄イーグルスのアルバム『ロング・ラン』(1979)です。


前作『ホテル・カリフォルニア』(1976)が全世界で大ヒットして、スーパー・バンドとなったイーグルスですが、その後のツアー・スケジュールも多忙を極め、新作レコーディングは難航してしまいます。

77年には多忙なスケジュールに追われる中で、家庭内の問題などでランディ・マイズナーが脱退します。代わってマイズナーが元在籍していたポップ・カントリー・バンドのポコからティモシー・B・シュミットが参加します。

この時期のメンバーはドン・ヘンリー(Vo. Drs)、グレン・フライ(Vo. G)のオリジナルメンバーに、ドン・フェルダー(Vo. G)、前作から参加したジョー・ウォルッシュ(Vo. G)にシュミット(Vo. Bs)となりました。

当初は78年に2枚組のアルバムを計画していたようですが、録音は一向に進まず、結果的に1枚物として1979年にようやくリリースされます。

プロデュースは『呪われた夜』、『ホテル…』に続いてビル・シムジクが起用されます。さすがの彼も長期に及ぶ制作期間の中で、アルバム全体のトータル感を出すのに苦労したようです。良く言えばバラエティに富んでいるとも言えますが、過去2作では採用しなかったバンド以外のソングライターの作品なども織り交ぜて、ようやく曲数を整えたという感じもします。

しかしアルバムは『ホテル…』に続いて世界的に大ヒット、USチャートでも第1位を獲得して日本でもオリコンチャートでは初の1位に輝きました。

収録曲
A1 The Long Run
A2 I Can't Tell You Why
A3 In The City
A4 The Disco Strangler
A5 King Of Hollywood
B1 Heartache Tonight
B2 Those Shoes
B3 Teenage Jail
B4 The Greeks Don't Want No Freaks
B5 The Sad Café

A1 トップはアルバムタイトル曲。ヘンリーとフライの共作です。スローなテンポですが、イーグルスらしいスライド・ギターとコーラス・ワークが楽しめます。


A2 シングル・ヒットしたスローなナンバー。リード・ボーカルは新加入のシュミットが担っています。優しいバラードです。珍しくPVがありました。


A3 ジョー節炸裂の重厚なロック・ナンバー。こちらもPVがありました。


B5 アルバムラストのどこか寂しげなミディアム曲。共作者にJ.D.サウザーの名前がありました。1977年に亡くなったバンド・マネージャー氏に捧げた曲だとされています。鎮魂のような最後のサックス・ソロはデヴィッド・サンボーンです。


アルバム・リリースの後にバンドはワールド・ツアーに出ます。来日公演も含むこの「ロング・ラン・ツアー」は録音されて1980年にその一部がライヴ・アルバムとしてリリースされます。しかし、バンド内の内紛は相変わらず続いて、ツアー終了後には活動を停止してしまい、1982年に解散が発表されてしまいます。

長い旅路の末に辿り着いたラスト・ランになってしまいました。


収録されたライブ盤についてはこちらで紹介しています。



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