【名盤伝説】 "STING / Ten Summoner's Tales” 映像版も素晴らしいのに…
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。今回はSTINGのアルバム『Ten Summoner's Tales』(1993)です。
STINGといえば、ソロデビュー作『ブルー・タートルの夢 - The Dream of the Blue Turtles』(1985)を代表作として推す方が多いと思います。私も大好きなアルバムですが、この『Ten …』も同じくらい好きなアルバムです。そしてこのアルバムのリリースと同時に全編映像化したVHS(当時)が出ていました。今回紹介する
のはこちらの映像作品です。
アルバムはSTING(本名 Gordon Matthew Thomas Sumner)が語る10の物語として抒情的でバラエティ豊な楽曲が10編(+ボーナス)収められています。
一方の映像は全11曲が収録されてい、STINGのロンドン郊外ウィルトシアにある別宅のリビングルームでの演奏風景を撮影したホームライブ形式の作品。実際のレコーディング風景を撮影したものではなく、しかもビデオクリップ集でもない、アルバム制作の雰囲気を表現しているかのような、他にはあまり無いものです。内容はアルバムと同じ曲を同じ曲順で収めていて、ボーカルは全て新たに録り直しされています。しかも収録曲の中で、名曲「Fields of Gold」「Seven Days」「Shape of My Heart」の3曲は演奏も含め完全なライブ録音されています。リラックスした環境でBassを弾きながら存分に歌い上げるSTINGの姿は必聴・必見です。
参加ミュージシャンもCDと同じDominic Miller(G)、David Sancious(Key)、そしてVinnie Colaiuta(Drs)です。リズム技師カリュータのドラミングも至近距離で撮影されていて見所の一つです。
現在、この作品の一部はYouTubeにアップされていますが、権利の関係か日本国内では再生できません。中古のVHSは一部通販サイトで購入できますが、動作が保証されるビデオ再生機など普通の家庭にはありませんので、視聴可能な配信などを心から願っています。私の手元にもただのプラスチック製の塊があります…orz。
昨年の来日に合わせて、このアルバム30周年記念エディションがデジタル配信されましたが、映像の再公開にまでは至りませんでした(残念)。
こうしたお蔵入りの映像作品は、STINGに限らず多数ありますよね。◯周年記念BOXなどの高額商品に収録されるケースも散見されますが、こうした良質な作品を、権利者の倉庫に眠らせておいたままで良いものかと思う今日この頃です。