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【名盤伝説】”Parachute / HAERE MAI”

お気に入りのミュージシャンとその作品について紹介しています。日本のフュージョンバンドパラシュートの3rdアルバム『ハエレ・マイ』(1982)です。

日本のTOTOもしくはAIRPLAYと呼ばれる強者スタジオ・ミュージシャン軍団のパラシュート。松原正樹(G)、今剛(G)だけでも凄いのに、林立夫(Drs)、井上鑑(Key)、斉藤ノブ(Perc)、安藤芳彦(key)、マイク・ダン(Bs)と揃うと怖いもの無しです。

彼らのデビューはアルバム『PARACHUTE from ASIAN PORT』(1980年4月)。2ndの『6 kinds 6 sizes』(1980年12月)で人気に火が付きます。

ツートップの松原・今のツインギターの強力なことと言ったら、当時の他のバンドを圧倒する実力でライブ・ハウスは連日超満員・・・とはいえ、本業のスタジオ・ワークも超多忙で、一体いつリハーサルをしているのかといった状態。そんな中でもようやくレコーデイングに漕ぎ着けてリリースしたのがこのアルバムです。

アルバムタイトルはニュージーランド原住民の言葉で「ハレマエ」、「ようこそ」という意味だそうです。

当初はLP2枚組の予定だったとのこと。それが1枚になった関係で短く編集し直された曲があるそうです。どの曲だろうか・・・。

収録曲
M1 ARESA KORESA
M2 LADY RACCOON
M3 NE-ON
M4 SWITCH-BLADE HERO
M5 THE DEALER
M6 COCKTAIL NIGHT
M7 SOYOKAZE NI NOSETE
M8 IF YOU’RE LOOKING FOR LOVE
M9 GIGORO
M10 JETH NO TARE
M11 AMIGO

前作はゲスト扱いだった井上によるM1。いきなり彼のポップス・センス全開の小曲ながらも大名曲。松原&今のツイン・ギターによるハーモニーがまさにジェイ・グレイドン!!。日本のレコード会社の醜悪なところ、レコーデイングのクレジットが無いのでホーン隊のミュージシャンが全くわかりません。でも、きっとあの人達かな・・・。


ライブ終盤の盛り上がり曲M5。マイクの朴訥とした歌声で無理矢理ロックン・ロールしている様が楽しいです。メンバーだけでこれだけ高音質なオケが作れるところがパラシュートの魅力。今さんお得意のスチール・ギターも聞けます。


実はシングル・カットをしようと企んでいたというM6。バンドとしての心意気はよしとするも、売れたかなぁ(苦笑)。大学生当時インスト・バンドを組んでいた私達もこの曲で全員がボーカルを回すという奇策に、かなり受けました。懐かしい思い出です。


どこかミカ・バンド風なM11。演奏テクなら負けていませんが、流石に加藤和彦氏のセンスには及びません。とはいえバラエティ豊なアルバムに相応しいエンディングです。


前作の名曲「ハーキュリー」ほどのキラー・チューンはありませんが、アルバムの完成度はパラシュートの中でダントツかなという印象です。しかしこの頃の日本のフュージョン界の盛り上がりは凄かったです。こんなメンツ m(_ _)m でもホール公演でキャーと女性ファンから歓声が上がっていたのですから。時代でしたね。




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