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めんどくさい人
「すみません。ここに言っていいのかわからないんですが、バスケットゴールあたりの木に、長い棒のようなものが引っかかっていて、落ちてきたら危ないんじゃないかと思って…。」
私はテニスコート横の事務所にいた人にそのことを伝えた。
この辺りはグラウンドや体育館などもある公園になっている。
一緒にその現場まで戻ることになった。
歩きながら話をしていると、どうも管轄が違うことがわかった。
「え!言うところが違ってたんですね!なんかすみません。」
申し訳なく思いながら歩いた。
しょんぼりと現場に着くと、さらに最悪なことが。なんと見当たらない!
あったのに…。本当にあったのに…。
白い棒状の先に鉄製っぽいフォークみたいなものがついていて、落ちてきたら危ないと思った。なのに、ない。
嘘でも幻覚でもない。
ちゃんと気はしっかりしているつもりだ。
今日は歯の定期検診の帰りだ。朝からやったことも全て言えるし…。
謝りながら、来た道を戻ったのだが、途中で一緒に歩くのがいたたまれなくなった。
「ほんとにすみませんでした。」
と言って道を変えようとしたら、
「1箇所、鍵を閉めに行くので。」
とまた一緒の道を歩くことになった。
くー、悲しい。回避できなかった。
別れ際に再度謝った。
自分の頭がおかしいのかと思うとちょっと泣きそうになった。言わなきゃよかったとさえ思った。
それにしてもおかしい。
ちゃんと見たのに。
木の中の白い棒状のもの。
あれなんだろう、なんであんなところに引っかかってるんだろうと不思議に思いながら下から見上げたことも、先にフォークみたいなものがついていたから公園の清掃道具かも、とまで思ったこともはっきりしているのに。そして遊んでいる子どもに落ちたら危ないとまで思ったのに。
まあ、
なかった 🟰 誰も怪我しなかった
ということなのでよかったと収めるしかない。
結局ただのめんどうくさい人になってしまった。
今夜は忙しくしてこのことを忘れたい。