夢からのリクエスト
なにも考えていなかった
その夢の話を聞くまでは
上のむすめが夢の話をしてきた
「おじいちゃんが夢にでてきて、
目の前でミニチュア作っていた」
「お月見のお団子のせる台みたい」
「あの台って名前ついているのかな」
後で調べたら、三方という名前がある
生前おじいちゃん(わたしの父親)の
職業は建築設計士だった
自宅で事務所を構え夜遅くまで黙々と
仕事をしていた
自分で設計した住宅の模型を作ることにも時間を費やしていたが、とても楽しそうに作業していた記憶を伝えると
「あっちでもミニチュア作っているんだね、でもなんで三方なのかな」と
首をかしげる
少し前に
わたしが見た夢に現れたのは母親だった
僅かに身体が小さくなり
「ここに来れるの?」と聞くと、
「届けを出せばいつでも来れる」と言い「下のむすめが喘息発作を起こしたときも来ていた」と言う
ヤバい、久しぶりの発作は最近のことだ
「でもあのひとがまた行くのかと嫌な顔をする」とも言っていた
両親があっちで出逢えたことがわかり安堵した夢
私はまだ父親に会っていない
いつも気に掛けていた大好きな孫のところへ来たのだろう
満を持して届けを出し現れたのだろう
十五夜
もしかして
リクエストされているのかな
甘いあんこは父親の大好物
おはぎを買いにいこう
三方はないけれど皿に盛り
今宵、月あかりの下食らおうか