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三番目の妹

六月、兄がこの世に別れを告げた。
兄との記憶を思い出すことが辛く感じ、箱の中にぎゅうぎゅうに詰め込みぐるぐる巻きにしてしまいたかった。ところが記憶は容赦なく、ありとあらゆる場面で蘇る。生育家族としての思い出は着色されることなく話を盛ることもなく永遠になる。

多分ここで終わりのはずなのに、
終わりじゃない気持ちになっている。


兄から三番目の妹と呼ばれるくらい親交のある女性へ連絡を入れた。初めてと思えないくらい二時間も話し込んだ。


兄の自宅には趣味で弾いていた沖縄の三線があった。その女性は沖縄に住んでいた時期があり、三線も弾けるし教えることも出来るらしい。兄が影響を受けて弾き始めたことも納得できた。

姉と自宅の片付けをしながら、
何の迷いもなく三線を梱包し彼女の
もとへ送った。


わたしの知らない兄の事を
知りたくなった。
三番目の妹に会いに行こう。


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