弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
これまでデータおよびOSのバックアップのお話をしてまいりました。ここで改めて、弊社でお預かりできる範囲につきまして申し上げたいと思います。
弊社でお預かりできる範囲
まず、HDDやSSDその他の記録媒体に保存しておけるご利用環境の種類についてお話し致します。
Windows
Android
macOS
iOS
Linux
これらに関しては間違いなくお預かりできます。しかしOSによってバックアップの取り方も扱いも違います。その辺りについて今回は解説してまいります。説明の都合上、macOSについてまずご説明致します。
macOSのバックアップについて
macというのは、Apple社がハード・OS・ソフトをすべて一元管理していると言っても過言ではありません。macというのは「1台のコンピュータ」であり、ユーザーが分解してそれより細かい扱いをすることは基本的に想定外です。
そしてmacというのはアプリケーションも基本的にApple社純正か、あるいはApple社が認めたサードパーティのソフトウェア以外は動作保証外になっています。
従って、バックアップについてもTime Machineで外付けデバイスにバックアップするか、iCloudとデータを同期して保存するか、いずれかとなっています。やはり、クラウドへのバックアップか外付けデバイスへのバックアップとなるわけですね。
基本的に、macに関してはTime Machineでバックアップを取ったものをお預かりすることができるだけとお考え下さい。
一応原理的には、弊社で用意しておりますmacで、Time Machineでバックアップしたものを閲覧することは不可能ではないのですが、Appleというのはとにかくセキュリティと権利関係が厳重なことで知られています。弊社でお預かりしております、Time Machineで作られたバックアップを下手に閲覧したら不正利用と見做されかねません。従ってあくまでもTime Machineでバックアップしたものをお預かりするにとどめさせていただいております。
iOSのバックアップについて
iOSに関しましても、基本的にはApple純正の方法でもってバックアップを行うことになります。しかしmacOSとは違い3種類の方法があります。
ひとつはiCloud。これはmacOSと同じですね。他はPCにバックアップする方法です。ネット環境がなくてもバックアップできるので、シーンによっては便利だと思います。最後のひとつはPCを使わず外部ストレージにバックアップする方法です。
Apple製品は簡単にバックアップできる方法を複数用意してくれているのが行き届いていますね。情報セキュリティの強化に繋がりますし、複数バックアップを作成して別々のところに置いておくと情報セキュリティの強化やディザスタリカバリにも繋がってくると思います。
Androidのバックアップについて
Androidのバックアップも、クラウド利用とローカルバックアップがあることには変わりありません。以下の3通り」が存在します。
Google One(Googleドライブ)へのバックアップ
Dropboxなどのクラウドサービスでバックアップを取る
各キャリアの「データお預かり」サービス等を利用する
基本的に弊社はクラウドに依存しないバックアップサービスをご提供致しておりますので、これらに関しては説明の範囲外として省かせていただきます。
そしてAndroidでもやはりPCにバックアップを取る方法、SDカードでバックアップを取る方法のふたつが公式として採用されています。しかし残念ながら、この方法ではデータのバックアップしか取れません。自分の使いやすいようにカスタマイズした環境は、いざというときにはデータを復旧したのち気長に使いやすい環境をポチポチと再構築するしかなさそうです。
基本的に弊社では「環境は再構築できるが、データは再構築できない」ということを考えております。データをバックアップできる方法を用意してくれているだけありがたいと言えるのかも知れません。
いずれにせよ、バックアップを取っておくことは災害に備えるには基本中の基本ですし、遠隔地に置いておくこともぜひおすすめしたい方法ではあります。
特にAndroidではSDカードへのバックアップも行うことがありますので、SDカードもお預かりすることが可能です。
Androidのクラウド利用ではAndroid純正の機能で行うことができますので、これをご利用されるというのもひとつのてでしょう。ただ、バックアップの3-2-1ルールというのがありまして、クラウドだけでこと足れりという考え方は基本的に弊社ではお勧め致しておりません。
Linuxのバックアップについて
Linuxのバックアップは、基本的にコマンドを叩くことになります。と言いますか、そのはずです。ご存じのとおり、Linuxというのは正確に言いますとリナスさんという方が核心部分を作って無料公開し、世界中のPCユーザーに「勝手に完成品のOSに仕上げていいよ」と言ったものですので、世界中のいろんな団体や個人がOSとして仕上げたものです。従って世界中にどれほどのLinuxがあるのか、誰も把握していないのではないでしょうか。ですので、基本的にはこうするはずだというのをお話しします。
Linuxのバックアップ先にはテープ・ハードディスク・クラウドが想定されています。後日またお話ししようとは思っておりますが、バックアップの3-2-1ルールに従うと2つ以上の方法でバックアップを取るべきでしょうね。
Linuxはどうしてもコマンドを叩く作業が避けて通れないのですが、tarコマンド、ddコマンド、dumpコマンド、Restoreコマンドをよく使うと思います。これらのコマンドに関しましては、追々説明していくことと致しましょう。
Windowsのバックアップ
Windowsのバックアップは、基本的にMicrosoft純正または推奨といったバックアップソフトはあるのですが、データと設定のバックアップにとどまっています。サードパーティ製では数種類のバックアップソフトが存在しますので、その中からお好みのソフトを使うという形の方が便利かと思います。
Windowsというのは、既に正常に動いているPCからHDD(またはSSD)のデータを移し替え、それを保管しておき、いざというときにはPCにそこからリストアすれば何とかなるという非常に便利なものでした。何だったら、PCにバックアップメディアを直接接続してしまえば、リストアの手間もほとんどなく再生可能…でした。
ところがWindows11からMicrosoftは、Windowsユーザーならほとんどの人が満たしている条件さえ満たしてしまえば、デバイスを勝手に暗号化するという仕様を取り入れてしまったのです。まあおそらく、macとの対抗上そういう施策を取ったと考えられるのですが…。
暗号化されたドライブを他のPCにつないで中身を見るということも基本的にできませんので、そうなったら諦めるしかありません。
私はこれをMicrosoftの勇み足だととらえています。TPM2.0という部品が載っていることが条件になる機能なのですが、Windows11ではこれがないとインストールできなくなります。過去の遺産をバッサリ切り捨てるこの方針は、一体どうなるのかなあと思っています。
弊社ではWindowsPCにつきましてはいざことが起こったときに弊社でお預かりしておりますHDD(SSD)を新しいPCにつないですぐに復旧が可能なように準備しているという方針をとっていたのですが、Windows11が出てしまってから事態が非常に流動的になりました。今後は動きを注視する必要がありそうです。
余談
実はここへ来て、GoogleがChromeOS Flexというのを発表しました。いわゆるDOS/V機で動くOSで、TPM2.0とかそういうものにとらわれないOSなのですが、残念ながらあまりソフトをインストールすることができず、用途は限られると思います。
GoogleはChromeOSを世に出すことを長年試みていますが、そのたびにWindowsの壁に阻まれてきました。TPM2.0というのが必須になって、Windowsユーザーが「うわ、面倒くさい」と思ったタイミングに合わせてきたんではないかと思います。
ChromeOS FlexはGoogleによる軽いジャブだと思っています。互換機で動くOSが戦国時代に入っても不思議はないなと思います。
小括
ごくごく簡単に、弊社でご提供できるサービスを解説してまいりました。これ以外にも、ただ保存しておくだけで十分という方がいらしたら承っております。
いずれ稿を改めてそれぞれにつきまして詳しくご説明したいと考えております。よろしくお願いいたします。
目次
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