超速2枚銀vs穴熊
最近はソフトを介さない研究がマイブーム。ということで今回はタイトルにもある通り超速2枚銀の将棋を見ていきます。評価値よりは実戦的な勝ちやすさに基づいて書いていきます。
攻められた際の反撃については以前書いた記事で纏めているのでそちらをご参照ください。今回は組み合ってからの方針についてです。
参考記事
①基本図まで
⇩基本図までの棋譜
②３二金型は無理
こういった局面はゴキ中のプレイヤーなら部分的に良く見る形ではないでしょうか。次に△５一飛と引くことができれば、単純な美濃囲いの定石と比較してだいぶ得になります。
手待ちで先手有利
△３二金の局面から数手進んだ局面です。後手は定石通りに△２二角と引き、先手はそれに合わせて飛車先の歩を交換しました。
上図まで来ると先手の作戦勝ちがはっきりしています。また堅さもないので、後手はこうなるのであれば穴熊に潜った甲斐は無いでしょう。
③端歩が入る前に△５一金
金銀が連結できればかなり無理が利きます。上図から▲９六歩△６四歩▲９七角としても△４二角で受かります。ただしこの場合は持久戦の場合は異なり△６二飛と寄ると負けるので注意です。
④組み切った後の戦い
穴熊に組み切っていれば基本的に▲４五銀は△３五歩で十分攻め合いになります。従って基本的には▲４五桂を考えます。
２八飛型は後手有望
この変化はかなり一本道です。上図から△４二角▲５五銀左△同銀▲同銀△３三桂▲５三銀△４五桂（下図）と進みます。
２八飛型の場合は３七を狙うのが急所になります。▲５二銀成△同金直▲４六銀△３七銀▲２九飛（▲２六飛は△５三角）△４六銀成▲同歩△同桂成▲１一角成△３八銀（結果図）と進んで後手が勝ちます。
しかし▲２七飛△４六銀成▲同歩△３八銀▲１七飛△５三角▲２一飛△４二金寄の進行は先手やや良しです。このあたりは改善が必要かと思います。
２九飛型
▲５五同角は後手勝ち
美濃囲いの定石通りだとこの▲５五同角があるので後手が工夫を強いられていましたが、穴熊の場合は△５五同飛▲同銀△３八銀（下図）という強襲があります。こうなれば後手が指しやすいでしょう。
▲５五同銀
▲５五同銀は既に何度も書いているので省略しますが、穴熊の場合は色々な制限があることに注意が必要です。
定石と比較して６四歩を突いていること、飛車先の歩を切りやすいことが相違点で、例えば△６五銀に▲３五歩△７六歩▲２六飛△５四歩に▲６六銀（下図）と引く手の対処は用意しておくべきでしょう。
△７七桂と打って△５五飛と取りきるルートしか覚えていないとひどい目に会います。上図では△６五歩と突くのが急所の一着です。７五へは逃げられないですし、▲７七銀と引けば△同銀成▲同角として銀が助かります。
そこで△４五桂▲同歩△６四角（下図）と覗けば後手が相当に指しやすい局面です。
このあたりをしっかりと把握しておけば後手もやれるでしょう。
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