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坂道トレーニング
前回の記事で『坂道トレーニング』について触れたので、今回はもう少し『坂道トレーニング』を深掘りしていきます。
【坂道トレーニングの効果】
・上り→心肺機能向上
・下り→筋力強化、フォーム改善
コレらが主に期待できる効果になります。
逆にいうと
上りでは着地の衝撃が少ないので膝や腰などの関節へのダメージは少なくなり、
下りでは心肺機能にはさほど負担がかからなくなります。
故障や体調不良などで負担をかけたくない場合などは状況に合わせて選択的にトレーニングをすることもできるでしょう。
例)
・膝に不安があるからトレッドミルで傾斜をつけて走る
・暑くて息苦しいから上りは歩いて下りで疾走する
【30〜35㎞の壁】
マラソンでは多くのランナーが後半失速します。
この時、キツくなるのは『呼吸』よりも『脚』です。
息苦しくて失速することはあまりなくて、多くの場合は『脚が動かなくなる』『脚が痙攣する』というトラブルから失速してしまいます。
コレらに心当たりのある方は積極的に『下り坂トレーニング』を行うことで後半にも粘れる脚を作ることができるでしょう。
マラソン翌日に階段が下れなくなるのも下りに必要な大腿四頭筋の遠心性収縮(ネガティヴムーブメント)がキツくなるからです。
【トレーニングに適した坂】
アップダウンがあるという意味ではトレイルランニングも心肺機能や下肢筋力強化には良いトレーニングになるでしょう。
しかし、登山道を走るのにはテクニック的な要素が多く、気を配る箇所が多く、歩幅も安定しないので効率的なランニングフォームの改善にはやや不利な側面があります。
ロードのマラソンでのスタミナ、筋力、フォーム改善を目的とするなら安心して下れる広めの峠道が理想的です。
しかし、5〜10㎞もある緩やかな坂道が近所にある方は少ないと思います。
私の家の近所にもありません。
そういった場合は公園や遊歩道などで200〜400m程度の坂道を見つけインターバルのように
筋力、フォーム改善が目的なら下りをメインに上りはゆっくり(コチラがオススメ)
心肺機能強化なら上りをメインに下りはゆっくり(関節に不安のある方はコチラ)
といったトレーニングで充分な効果が期待できます。
【坂道トレーニングの頻度】
坂道トレーニングは上りメインでも下りメインでもそれぞれ筋肉(下り)や心肺機能(上り)に大きな負担を与えることになります。
坂道トレーニングはポイント練習として中3〜6日空けて週1〜2回とする事をオススメします。
上り下りではターゲットが違いますが、やはりポイント練習は心身ともにストレスがかかるので多くても週3回までにとどめておきましょう。
【レースにおける坂道】
信頼のおけるオーストリアの研究で起伏の激しい10㎞のコースで、
心拍計、酸素消費量計測、ガス分析器、GPS、ピッチ・歩幅計測を用いた実験を行った結果、
多くのランナーが
上りが速すぎ
下りが遅すぎ
といった過ちをおかしていると指摘されています。
コチラの研究では上りを平地と同じ速さで走ろうとすると、酸素消費量が増えて上りきった後で回復に時間が取られる為、
『上りでスピードを落とせば、その後素早く速度を戻せる可能性をしています』
対して下りでは坂道を下る際の不快な衝撃を避ける為に充分な速度で下れないということです。
『坂の麓に到達しても、できるだけ速度を維持して走り続ける』事を勧めています。
この研究結果をみて私が思う事は確かにどのマラソンレースでも多少のアップダウンがあるのに
キロ4分やキロ5分といったペースや目標タイムにとらわれていると、
『上りが速く、下りが遅く』なってしまうだろうということです。
対策としては主観的な疲労度のセンサーを高める事、心拍数やGPSウォッチの調整ペース(フラットならこのペースということを教えてくれる機能です)を参考にすることでしょう。
私は普段から主観的疲労度(自分の感覚)を最も信頼しています。
主観的疲労感の精度を高めるには
普段のトレーニングから主観的疲労感を目安にトレーニングを行い、GPSウォッチで心拍数やペースの答え合わせをする事が役に立ちます。
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