外国人介護職への教育の難しさ
OJTの現場での問題
外国人介護職にもOJTを実践すると思います。ここでも、外国人ならではの問題点がたくさんあります。私の施設で経験した問題点を例として挙げてみます。
まずは、専門用語です。日本語学校では「褥瘡」なんて教えてくれません。もっと簡単な言葉で「清拭」なんて言葉も教えてくれません。我々でも職場以外で清拭なんて使いますか?
また、略語もあります。体位交換の略語で「体交(たいこう)」という言葉があります。対抗、大綱、対向、大公、退行など同じ響きの言葉がたくさんあります。でも体位交換の略なので、言葉の響きからだけでは絶対にたどり着きません。
さらに、同義語として皮下出血、内出血同じような意味にで使われていると思います。でも文字が違うし、響きも違うので外国人には全く違うものとして認識されます。
このようにヒアリングで大きな壁があります。
記録を書くのも大変です。読むことは今はスマホを使って調べることができるので、何とか時間をかければそれなりに読むことができますが、書くのが難しいです。特に漢字は漢字圏の国でないと覚えるのも難しいと思います。
彼らにとっては「聞く」「話す」「読む」「書く」は別々の課題なのだと理解する必要があるようです。
これだけ、日本語理解の壁が高いので、技術は覚えられても細かな部分は伝わりきれず、外傷事故や転倒事故につながったり、申し送りや引継ぎがうまくできずトラブルになることも少なくはありません。
解決策案
上記の問題に対して、私の施設で実践、検討している対応策を挙げておきます。
1介助ずつ完璧にする
排泄介助なら排泄介助を完璧にこなせるまでとことん教えます。細かい部分も見逃さないようにします。こうすることで、指導するほうも細部までしっかりと確認しようとします。
排泄介助ができるようになれば入浴介助という風に任せることができるものを増やしていくようにします。スピードがついてくれば、業務の流れ、リスク対応、引継ぎ、記録など時間のかかる指導を集中して行うことができます。
レポートを書かせる
日本人でもOJT中はレポートを書かせています。外国人には書く練習として、箇条書きや短い文章からどんどん書いてもらいます。時間が掛かっても仕方がないと思います。指導職員は疲れるとは思いますが、独り立ちしたあとに苦労をすることを考えれば・・・
復唱させる
外国人の多くは怒られると辞めさせられると思ってしまう人が多いようで、拒否することがあまりないです。それはそれでいいのですが「~してください」「わかった?」と言うと「はい」と返事をします。でもほとんどわかってないです。これは外国人に限ったことではないのですが、確実に理解したかを確認しないとトラブルになります。ですので復唱させるようにします。
コミュニケーションをたくさんとる
これは、苦手な日本人が多いです。日本人同士でもできてない人たちが多いように感じています。外国人を孤立させないという理由もありますが、日本語を使う環境が日本語上達の近道なのでどんどん声を掛けるようにします。時には、食事や飲みに誘ってもいいと思います。
コミュニケーションで信頼関係を築くことは、質問がしやすい環境をつくることにもなります。遠慮してなかなか質問をしてこない外国人も結構いるので、話しやすい状態にすることは、教育をスムーズに進めるには良いと思います。
一つ注意点として、日本人は注意する際に遠回しに言う癖があります。嫌われないようにしたいという気持ちからですが、外国人の場合には遠回しに言うと何を言っているのかわからず、誤解されることが多いです。ダメなものはダメとはっきりと伝えると分かりやすく、納得されます。そして、嫌な気持ちにもならないです。
こんな感じで対応しています。特に口酸っぱく言うのはコミュニケーションです。本当に苦手な人が多いので何度も伝えるようにしています。
ここで、事前準備①が役に立ってくると思います。まだ読んでいない方は、ぜひ読んでください。
上記の対策はまだ試している最中のものですので、成功するか分かりません。途中経過や成功したらまた記事にしていこうかと思っています。
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