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長篇小説

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「コーベ・イン・ブルー」(全7話)神戸港を舞台にしたクォーターの青年の愛と葛藤の物語。船会社の代理店から委託業務を引き受ける主人公が警察から殺人を疑われる過程で、ヤクザと渡し合い…
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#いさら井

南ユダ王国の滅亡 (1/9)

あらすじ  1995年1月17日。高校一年生のミカエルは、捨て子だったため、九歳のとき、病院を経営する弓月家の養女になる。幼い頃よりオタク気質であったため、養父母に馴染めなかった。ミカエルには盗癖があり、同じクラスの美少女、秦野アリスのもち古代の石を盗む。怠惰なこともあり、養父母に叱責されたミカエルは家出を試みるが、養父の父親が戦時中にユダヤ人のラビから譲り受けたという螺子のない時計をもらう。  1つの石が人手によらずに切り出されて、黄金の像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕

南ユダ王国の滅亡(9/9)最終話

あらすじ  着いた先は、1991年1月17日。湾岸戦争が開始された日のイラクだった。アリスは死に、同行していた二人のユダの男たちは、バビロニアとの戦いだと思い、突きすすみ地雷を踏む。ルーシーの声が別れを告げる。ミカエルは井戸の中で目覚める。地震の起きる少し前に戻っていた。これまで起きた出来事が養父の計らいだったと知る。ミカエルは、アリスの石を探し、ルーシーやアリスのいる時間へタイムスリップする。       28 荒野にたたずむ  光の渦に吸い込まれたと思ったとたん、ヒュ