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あらすじ ダニエルとアリスとは、王の面前で対決し、アリスは敗れるが、彼女の連れている黒猫が助ける。ルーシーはアリスが魔女に取り付かれていると言い、悪魔祓いの儀式を行う。ミカエルと同じ捨て子だったアリスは、リストカットのあとが手首にあった。一方、ダニエルにつき従う少年らは、自分の身を顧みずダニエルにつくす。 18 フォールスメモリー 宿屋に戻ると、ルーシーが盛大に尻尾をふって出迎えてくれた。首をのばして待ちわびていたという。疲労の極致にあったわたしは、ろくに返事も
あらすじ アリスはミカエルの前から姿を消す。ダニエルへのネブカドネザル王の信任は厚くなるが、ミカエルは王に謁見し、王が正常ではないと知る。ルーシーが傷つけられる。ミカエルは途方にくれる。王都バビロンへ向かう。アリスと再会する。ふたたび、アリスはダニエルと戦う。アリスは深手を負う。ルーシーが最後の力をふりしぼってミカエルらをタイムスリップさせる。 23 永遠のさすらいびと もらい受けたアククゥツにまたがり、リブラの町を守る城壁の外へ向かう。ルーシーは息をきらしな
あらすじ 着いた先は、1991年1月17日。湾岸戦争が開始された日のイラクだった。アリスは死に、同行していた二人のユダの男たちは、バビロニアとの戦いだと思い、突きすすみ地雷を踏む。ルーシーの声が別れを告げる。ミカエルは井戸の中で目覚める。地震の起きる少し前に戻っていた。これまで起きた出来事が養父の計らいだったと知る。ミカエルは、アリスの石を探し、ルーシーやアリスのいる時間へタイムスリップする。 28 荒野にたたずむ 光の渦に吸い込まれたと思ったとたん、ヒュ
2 それはただ夏の陽を浴びることであり、 空の静けさと溶け合うことであり、 バイロン詩集より 「そこの二人ッ」 カンニングが見つかった瞬間、おれは男らしくすっくと立ち上がり、試験官のタニシに言った。 「やったのはおれです」 「おまえなー」 タニシはおれを通りこし、ジュンの目の前に立った。 「おまえは南川のせいで、数学を落としてもエエのかッ。大事な時期やということが、わかってないのかッ」 おれは激高するタニシに向かって、 「勝手にのぞいたン
3 ぼくには千年生きたよりもたくさんの思い出がある。 ボードレーヌ詩集より 駅から射す蛍光灯の灯りを浴びて、三輪は改札口の手前でたたずんでいた。遠目にも、色濃い眼差しが見てとれる。 駅前の狭い通りに、車が停まっていた。 「三輪くん……」 学校帰り、隣を歩いていたジュンはヤツの名をつぶやいて、うつむいた。愁いをふくんだ横顔は「プリンセス王子」の名にふさわしく、はかなげだった。 強引でわがままなバラくんの言動を案じて、心を悩ましているにちがいない。いまとな