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野良犬の値段

野良犬の値段、百田尚樹
最高に面白かった!

出だしから面白い。定食屋の定員の佐野。こいつがまた小説にいい味を出してくれている。彼は物語の最初だけでなく、途中途中のひょっこっと登場してくる。全て読み終わった後だから思えるが、佐野…SNSの使い方学んだね…。

警察、マスコミ、世論、犯人の関係がそれぞれがクリアに描かれているところ。
読んでいてすんなり内容が入ってくるし、世論の影響が小説の流れを動かしているのもあってこの事件がまるで実際に現実に起きているように錯覚させる。

よくある警察小説では、警察とマスコミの攻防、情報をどこまで出すかどう書くかが描かれていることが多い。そこで薄く描きがちなのが世論の影響である。なぜマスコミが警察の情報をリークしたいのか、それは自社の売り上げのためであろう。他の競合より早く情報を出せば、客は先に見てくれる。なぜ警察が情報を出したがらないのかは、捜査情報の漏れもあるが警察がどこまで事件を解決できているか国民にジャッジされるからだろう。その客、国民である、世論の大きさがマスコミ、警察の大きな原動力なっていることをうまく表している。この3つの関係性をここまでクリアに描かけるのは百田尚樹だからであろう。

最後の終わり方も私は好きだ。

ミステリーとしても面白いし、警察小説としても面白いし、人間模様も面白いし、最高の小説。

後味はすごくスッキリしている。勝負の結果に感動がスパイスのようについてくるような小説ではなく、一貫してクリアでスッキリした小説である。

是非是非是非是非是非是非読んで欲しい!

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