水車小屋のネネ
「水車小屋のネネ」を読み終わりました。
この本を手にとったきっかけは、
著者の津村記久子さんの本を読んでいたこと、
表紙が私の好きなイラストレーターの北澤平祐さんだったからです。
私の狭い興味関心の中にたまたまいたお二人、
そして読み始めると、本の中に私と同じ名前の登場人物が出てくる…
そして学校の先生も大事な人物として登場する…
私がこの本を読むのはきっと必然だったのだと思います。
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物語の構成も面白く、10年ごとに登場人物を追っていくストーリーになっています。主要人物の二人の姉妹の年齢差が10歳差なのも、あのときの姉と同じ年になった妹からの目線…とストーリーを深める要素になっています。
文章の書き方もとても新鮮です。例えば、はじめは姉の視点を通じて妹のことを見ていたのに対し、つぎは妹の視点を通じて姉の10年後の姿を見ているというような、ある人物になって物語の中にいると思ったら、他の人物になってその人物を客観的にみている視点がとても新鮮でした。
そして津村さんの文章の表現の仕方が感動です。
人間の心の中にある、取るに足らない感情を文章で、間で、文字の空気感で表現している技術がすごいです。
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物語の感想より、文章の書き方の面白さの感想になっていまいました。
表紙の絵はこの物語の何十年間が描かれてます。
ぜひ、表紙の絵を見ながら、物語を読み進めてみてください。ヽ(^。^)ノ