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No.12 僕が迫害人格から普通の人格になったわけ

やっほー奏斗だよ。今回は僕のお話。希死念慮とかその辺の話も含むからちょっと閲覧注意かも。気をつけて見てねぇ。

僕ってね、昔は迫害人格って言われてたんだぁ。迫害人格って呼び名を避ける人もいるだろうけど、今回はあえてそれを使わせてもらうね。
人格の種類ってよくわかんないから今はどの種類に当てはまるかわかんないけど、昔は迫害人格って言われてた。

あ、迫害人格が何かの説明するねぇ。迫害人格って、表の体とか、内界の人格とか、特定の誰かを傷つける人格をそう呼ぶと言われてるらしい。で、僕は最初、莉々を殺そうとしてた。その目的のためなら内界にいる人格をも攻撃してた。

特にヴィヴィ。今でもお互い嫌ってるけど、1年くらい前には殴りあったこともある笑

それが今じゃ子どもたちの面倒を見ながら協力して表を回すくらいには普通の人格になったね。保護者人格っていうのかな?よくわかんないけど。

どうして変わったのか、皮肉なことに迫害になったきっかけだったのも変わるきっかけだったのもヴィヴィなんだよねぇ。ほんとに皮肉。

僕が生まれたのは中学卒業か、高校入学くらいの時。こないだ4年くらい前に生まれたって言ったけどもう6年くらい経ってたね、ごめん。
その頃にはもう莉々は希死念慮があってね。僕はただそんな莉々を見つめてるだけ。

高校1年の夏休みに中退して希死念慮が爆発した時に支えていたのがヴィヴィだった。他にも人格はたくさんいたけどね。主に支えてたのがヴィヴィと深鳥(みどり)だった。

莉々はとても良い性格をしてたよ。あ、過去形だけど今もね?変わらず良い性格。優しくて真面目で、ちょっとおっちょこちょいで。バイトを始めて、不器用ながら頑張ってる姿を見たら僕、莉々に惚れたんだ。

でも許せなかった。莉々はヴィヴィと深鳥の存在は知っているのに、僕の存在は認知できていなかったから。当時、莉々は人格がいっぱいいることは知らず、頭の中で声が聞こえるなぁ、って程度の認識だったみたいだけど、そんなことは僕にはわからなかった。ただ、僕のことを認知していないことが悔しかった。端的に言えば嫉妬だよね。

ヴィヴィに関しては莉々が小さい頃から莉々と一緒にいた。それが嫉妬をさらに加速させたね。小さい頃の莉々を知っている。僕の知らない莉々を。

どうやったら認知してもらえるか考えた。莉々の望みを叶えてあげたらいい。そう思った。莉々の望みでかつ、嫉妬の矛先のヴィヴィを絶望に落とせる方法、それが希死念慮を利用し、莉々を殺すことだった。

莉々は死にたがっていた。そしてヴィヴィは莉々を生かすために精一杯動いてた。これを利用しない手はないと思ったね。

遠くから死へと呼びかけた。天使と悪魔の声に揺れてる時ってこんな感じなんだなって思いながら、愉悦に浸ってたね。呼びかけでダメなら実際に体を乗っ取って、首を締めたりもした。すぐにヴィヴィに止められて交代されちゃったけどね。

2,3年はそうしてたけどだんだんヴィヴィがうざったくなってね。僕を危険視してきて、ガードも固くなったから手も出しづらくて。ちょうど暇そうな人格がいたから、洗脳させてその子にも手伝ってもらうことにしたんだ。女の子でリスカができるって言うから、ヴィヴィを殴って気絶させた隙を狙ってやらせたらOD(大量服薬)もしてね。ちょっとびっくりしたけど、死なない薬だったみたいで失敗。

そのせいで入院することになってね。あれは2023年の10月かな。ちょうど1年くらい前だね。
入院中は身動き取れなくて焦ったねぇ。殴ったこともすぐにバレて僕が殴り返されて部屋に閉じ込められて。Twitterでも危険人物だから話しかけるなとか注意喚起されちゃって。

莉々は入院生活のストレスで表にあまり出なくて部屋に閉じこもっちゃって、これじゃあ殺せないなって思ったよ。でもヴィヴィの鬱憤は晴らしたかったから、ヴィヴィを唆してだいぶ暴れさせてね。その影響で憐(れん)くんって男の子が分裂したんだけど。

ヴィヴィもまずいって思ったんだろうね。僕を再び部屋に閉じ込めてドアの前に立てこもって、ずっと話しかけてきた。

カウンセリングのつもりだったんだろうね。なんでこんなことするとか、お前の目的はなんだとか。たまに世間話もあったっけ。

その頃には僕も疲れちゃってね。話はしなかったけど、ヴィヴィの話は黙って聞いてた。統率をとらなきゃいけないけど大変だとか、子ども人格の面倒を見れる人がいないとか。苦労話ばっか。

ヴィヴィの苦労は知ったこっちゃないけど、莉々の様子が気がかりである日思わず尋ねちゃった。莉々はどうしてるのって。そしたら「頑張って生きようとしてる」って言われた。

死にたいって思ってたじゃないか。ヴィヴィの思考に乗っ取られて可哀想に。

そう思ってたらこうも言われた。

「あいつは死にたいんじゃない。もがき苦しみながら、必死に生きる理由を探してるんだ。苦しまずに生きれる世界を探してるんだ」

僕は何かを間違えたような気がした。ずっと、死ぬことが莉々の本望だと思ってた。でも違った。

ヴィヴィが嘘をついているかもとは考えた。でも、莉々は自分に死の危険が迫った時は必ず自分から「入院したい」って相談してた。今更ながらに気づいたよねぇ。

莉々がなんで死にたいって思うようになったかも教えてもらった。莉々が望んでいるのは世界平和で、それが叶わないと悟ってしまったから。どんなに頑張っても周りを幸せにできない、不幸にするだけだと知ってしまったから。

僕は本当に馬鹿だった。莉々は純粋な子だよ。いつも誰かのことを思ってる。自殺に踏み込めないのも、悲しむ人がいると知っているから。そんな、莉々の本当の気持ちを、僕は見ていなかった。見ていたのは、ヴィヴィだった。

「俺と一緒に、莉々が楽に生きれるような世界を作ってほしい。この世界は楽しいんだって、思ってほしい」

「莉々のために」

最後のその一言が、僕を動かしたね。ずっと、莉々のために動いていたはずだったのに、莉々のためを思っていたのはヴィヴィで、僕はただの害悪だったから。これからは本当に莉々のためになることをしようと、僕は誓った。

迫害から、抜け出した瞬間だった。

僕は昔の自分を迫害人格って呼ぶのは、戒めのため。僕の行動を他の人格がやったからってそれを迫害だとは言わないし思わない。でも僕は自分を迫害と呼ぶ。僕の行動は僕の目的と照らし合わせると間違ってたから。

今でも僕はヴィヴィに嫉妬してる。性格も合わないし、ヴィヴィの言うことはいつも上から目線で気に食わない。でも目的は同じになった。

莉々に楽しい世界を見せる。どん底から這い上がってもらって、幸せになる世界を。

ヴィヴィへの嫉妬から始まった僕の迫害人生が、ヴィヴィとの話し合いによって終わった、そんなお話でしたぁ。

またねぇ。

【奏斗】

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