Kosuke Inudo

塾講師 生徒たちはカバンの中にテキストとノートと筆箱の他に、世の中を詰めて通っていると…

Kosuke Inudo

塾講師 生徒たちはカバンの中にテキストとノートと筆箱の他に、世の中を詰めて通っていると考えています。

マガジン

  • 思い出いろいろ

    出かけたり遊んだりの思い出集

  • 現代のスポーツを論じてみる

    学生時代がスポーツ記者になりたかった筆者が、既存のマスコミがあまり触れないスポーツのアレコレを色々と書いてみるマガジン。

  • ポストコロナ時代の学力崩壊

    コロナ禍以降の子どもたちの学力が従来にない形で崩れているように感じています。その理由や対応策について探ります。

  • 地方での暮らし

  • 映画・ドラマ・読書レビュー

    見た映画やドラマ、読んだ本の感想を綴っていきます。

最近の記事

”子に失敗させる経験”を阻むもの

子どもに関わる仕事をしている人たちの多くが「子どもにどんどん失敗をさせなさい」と言う(当然そうではない人もいる)。私も子どもの失敗に関しては寛容な方である。実際自分も無数の失敗をしてきたし、それによって周囲の大人に迷惑もかけてきた。それらの経験が人間関係の構築であったり文化的な活動のきっかけであったり、イザという時の決意に繋がる気持ちのお守りになっていたり、と有形無形の財産になっている。人間には失敗が必要なのだ、しかもできるだけ人生の序盤において。 しかし現実は逆行している

    • 2024 富士登山記 ~御殿場ルート~

      そういえば盆の8月13日に富士山に登ったことを書くのを忘れていました。これ以上時間が経つとどんどん記憶が薄れてしまうので備忘録としてまとめておきます。 過去に富士山には4回登っています。1999~2001年と2007年の4回。2001年のみ吉田ルートで残り3回は富士宮ルートです。99年は高校の時の友人たちと大学1年生の夏に遊んでいた流れで、そのまま富士山に向かうという無謀な計画で8合目でリタイア。2000年は同じメンバーでリベンジ、2001年は大学の同級生8人で全員登頂。2

      • 認知のバグ その1

        どうしても大衆世論の意見と相入れない点が4つある。この4点を「認知のバグ」という題名で4回書いていくこととする。 出生率日本でもっと深刻な社会問題は少子高齢化である。長らく低空飛行ながら横ばいを保っていた出生率が10年ほど前から下がり始めた。2023年の数字は1.20。今年は下がり幅が大きくなりそうで1.16~1.17に低下しそうである。ただ私はこれを「日本の政治」を理由とは考えていない。全く影響がないわけではなかろうが、5番目くらいのファクターにしかならない。その根拠とし

        • 15年ぶりの飲み会が楽しかった!

          もう3週間も前のことになってしまいましたが、高校の部活動のOB会が行われました。当時の顧問だったH先生が古希を迎える&ずっと部を陰日向から支えてくれている学校職員のEさんの定年が迫るということが直接のきっかけでした。 H先生は私たちの代が2年生になるときに異動してきました。一つ上の3年生はその後1カ月で最後の大会を終えたので、実質私たちの代からが先生のチームだったと言えます。そしてその翌年にEさんがウチの高校で働き始めました。そんな事情もありまして、今回の会は私たちの代が最

        ”子に失敗させる経験”を阻むもの

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        • 思い出いろいろ
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        • 子どもたちの変化を考える
          12本

        記事

          現代の日本人は大谷翔平とどのように向き合えばよいのか

          さてオオタニサンである。 日本人最速タイの165㎞の球を投げながら、日本人史上最高のバッターでもある。日本ハムでは日本一の置き土産を残しメジャーリーグへ。2回のMVPと2年連続のホームラン王、さらには今年は打点王のタイトルも。MLB初の10勝&40本塁打、50本塁打&50盗塁と規格外の3乗くらいの記録を残している。 昨年からは勝負強さも兼ね備え、WBCでは日本代表として攻撃に投手に大活躍。最後はトラウトを三振に取って優勝投手となった。今年は強豪チームのドジャースに移籍して1年

          現代の日本人は大谷翔平とどのように向き合えばよいのか

          セーフティネット型の塾運営を志向する理由

          数日前のこちらの記事に注目した。記事全文を引用する。 今まで出会ってきた人を思い浮かべた時に、とても納得のいく内容だった。前半だけでも白眉と言える内容だったのに、後半で男児と女児の違いも出てきたのが腹落ちに拍車をかけた。過去の塾生でも叱られたことのない子育ての成功例は確かに女子に偏っているように感じられる。具体例は過去のnoteを参考にしてほしい。 最近の親は苦しんでいる。その理由は情報が多すぎるのだと思う。加えて「合格」とされる子育てのハードルが高すぎるのだと感じる。例

          セーフティネット型の塾運営を志向する理由

          初めての中学の授業参観

          長男の授業参観に行ってきました。入学して半年以上ですが初めての機会ですね。 先月に時間割が発表されたときにビックリしました。1時間目が社会だったからです。長男の社会を担当するのは17年前の学習塾勤務時代に教えていた元生徒。入学式で教科担当になることを知り、そして授業参観が彼の授業になるとは!様々な意味で緊張感を持って教室に入りました。 机の上には皆がタブレット。そして班の形がすでに作られています。授業のテーマはEU。ヨーロッパ州については3回目の授業という説明でした。まず先

          初めての中学の授業参観

          私が学力低下を発信する根拠

          折に触れて「小中学生の学力が下がっています」と発信している。もう一歩踏み込むとここ数年の小学生には「本当にホモサピエンスなのか?学力低下どころの問題ではなく、生物的に何か問題が発生しているのではないか?」とさえ感じている。 このような発信には「昔からそうですよ」とか「塾は不安扇動産業ですからね」とか、そんな反論がいくつかくる。しかし私も根拠無しで発しているわけではない。この半年にあった事例をいくつか挙げながら考えていくことにする。 ケース1(小3女子) 1学期の終業式の直

          私が学力低下を発信する根拠

          ラストマイル(ネタバレあり)

          子の夏休みの最後の日、つまり9月1日に見た。つまり既に50日経っているわけだが、感想と自分の思いを書いていくことにする。 さすが塚原、野木、新井トリオと思わされたのは、この映画が正に2024年を切り取っている点である。私はケータイやネットサービスはある程度一巡してから活用する人間である。発売日に行列に並んでゲットというタイプではない。そんな私が「もうすぐ11月か、ブラックフライデーがあるな」と自然にインプットされた元年が今年だったからである。去年まではその文字を見て「あーア

          ラストマイル(ネタバレあり)

          若者の投票率が低いのは義務教育とネット社会の勝利

          衆議院選挙が近づいてきました。多分今回の投票率も前回と同水準の55%程度になるでしょう。そして20代に限れば35%くらいに留まるのは間違いありません。ただでさえ人数が少なく、残りの人生がまだ長い世代という意味で、最も投票に行くべき世代が1/3しか足を運ばないわけです。こんな由々しき状況がなぜ生まれるのかを考えてみたいと思います。 「若者の投票率が低いのは義務教育の敗北だ!」とおっしゃる方が非常に多いのですが、まずこの点を明確に否定しておきます。今の若者と実際に話してみると”

          若者の投票率が低いのは義務教育とネット社会の勝利

          小学校の運動会を観覧したら今までにない感情が溢れ出た!

          次男の小学校の運動会に行ってきました。長男が卒業して初めての運動会です。学年でもリーダー格でいろいろな役割を任されることの多かった長男に対して、3月末生まれでおっとりのんびりしている次男だけなので、昨年まであったような高揚感は少し薄れ、のんびりと観覧する予定でした。そして実際そんなに前の方の観覧スペースまで入ることなくのんびり見ていました。しかし様々な所に工夫が張り巡らされていて感心しました。 まずは開会式。入場行進や長い話はありません。座席で校長先生の話を聞きます。「運動

          小学校の運動会を観覧したら今までにない感情が溢れ出た!

          愛知郊外の生活がTHE東京の価値観であるSNSと全く違うお話

          妻が先日から「15年勤続手当」で10日間ほど休みになった。結婚の為に九州から愛知に来て16年になる。二人の子の出産を挟んでずっと正社員として我が家を支えてくれている。自営の私の不安定さをフォローしてくれている妻には頭が上がらない。 そんな平日の休みに「ママランチ会」に誘われていった。行事や地域のイベントの後に流れで食事に行くことは数回あったが「ランチのみが目的」で平日に出かけて行ったのは本当に珍しいことである。妻を含めた6人で優雅なランチを堪能してきたようだった。 その日

          愛知郊外の生活がTHE東京の価値観であるSNSと全く違うお話

          愛知県公立中間一貫校の話題について その2

          先日のnoteの続き。 今日はここまでで発表されている公立中高一貫校の中身を見ていきながら私が思うことや感じていることをまとめていく。 定期テストの方針は以下のような発表があった。 半田…廃止 明和、津島…検討中 刈谷…年4回の実施 「定期テストを実施しない」と唯一明言している半田について詳しく書いていく。そもそも今年度から半田高校が従来は年5回だった定期テストを3回に減らしている。 開校準備に携わる県教育委員会の後藤氏のコメントは以下。 「一夜漬けで勉強しテストの

          愛知県公立中間一貫校の話題について その2

          誰も教えてくれない私だけの集客法

          少し前にXでのポストがプチバズりました。 ビジネス系インフルエンサーの方を引用したので拡散されたのでしょうが、思いのほか共感のコメントが多く寄せられたのが印象的でした。 ちょうど先週から今週にかけて地域のイベントに顔を出す機会が多くありました。先週は長男の中学の体育大会、日曜日は市の町内で競う市民体育祭、月曜日は雨で途中打ち切りになった体育大会の続きでした。まあ一言で言えば運動会に3回足を運んだ形です。 私の街は小さな市なので中学校が二つしかありません。長男は保育園卒園

          誰も教えてくれない私だけの集客法

          愛知県公立中高一貫校の話題について その1

          来年度から愛知県では初めての公立中高一貫校が開設されることになった。ここにきて報道も増えてきた。先月にテレビのニュースで報じられた内容を引用しておく。 選択肢が増える点では公立中高一貫校の設置は良いことだと思う。しかしその内実には多くの問題を抱えているとも感じている。今日はその点について書いていく。 まず指摘したいのは初年度から選ばれた4校とこの記事で書かれている公立高校の課題の齟齬である。2025年度から中高一貫校になった4校は以下の特徴を持つ。 ・明和…名古屋市の官

          愛知県公立中高一貫校の話題について その1

          高校ランクに垣間見える格差社会

          濃尾平野のほぼ真ん中にある当塾は多くの高校に通いやすい立地にある。1.5㎞離れた最寄駅から名古屋駅までは特急で1駅12分である。公立高校の普通科系統だけで68もの高校が尾張学区内にある。勿論このうちの半数ほどは通学に現実的ではない立地なので、20~30校くらいが現実的な選択肢となる。私立高校や専門学科もそこに加えると50校くらいの中から高校を選ぶことになる。昔、岐阜の可児と美濃加茂の2つの校舎で働いていたときは、36人の中3生の進路希望の欄に書かれた高校が6校だった。公立進学

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