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月城道隆 本編はスカートに続く短編です。 僕がそれを連れて帰ると、妻は目を丸くした。 「え、犬?」 「だめ?」 「いや、だめではないけど……」 「折角一軒家に住んでるんだからさ」 驚いた顔のまま、僕の腕の中のこいつを眺めている。 「家の中で飼いたいんだけど」 「ええ?」 眉間に皺を寄せる。でも、嫌だと言っても押し通すつもりだった。家の中で飼わないと意味がないから。 くぅ〜ん 腕の中で子犬が鳴いた。柴犬。妻がその声を聞いて、顔を緩めた。 「お腹が減って