短編小説:美食家_2021.03.04
それは、上条暎万、高校三年生になったばかりの春
彼女の通っていた高校は、中学から大学までがエスカレート式になっている女子校、お嬢様学校でした。
担任の先生はベテランのおじさん。たぬきかキツネで言ったら、たぬきでしょう。お腹も出てるし、髪は若干寂しいです。でも、人生を真面目にこつこつ生きてきた人です。お腹と髪くらいなんですか!大目に見ようではありませんか。
「上条」
帰りのホームルームが終わって、友達のすみちゃんと話しながら帰ろうとしていた暎万ちゃん。担任に呼び止められ