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今あなたに届けたいヨガ
ヨガのレッスンをはじめた当初は、緊張で自分のことしか見えていなかった。生徒さんを見なきゃいけないのは百も承知。でもミスもしたくない。完璧にレッスンをこなしたい。ベクトルは自分にしか向いてなかった。
シークエンスと呼ばれるヨガレッスンの構成をガッチリ固めて、セリフも頭にたたきこんだ。結果ミスはほとんどないのだけど、なんだろう、生徒さんの顔をまったく覚えていない。笑っていたのか、苦しそうにしていたのか、穏やかな様子だったのか、一人も何も覚えていないのだ。
まぁ、今考えてみれば当たり前のことで、自分がいかに完璧なレッスンをするかしか考えてないから、生徒さんの顔を覚えているわけがない。新人インストラクターあるあるなのだろうか。ホスピタリティのホの字もなかったなぁと反省し、遠くをみつめております。笑
ヨガをはじめる動機は人それぞれ。運動不足を解消したい方、体の不調をメンテナンスしたい方、柔軟性を高めたい方、リラックスしたい方などなど。生徒さんそれぞれの動機や目的を知ってレッスンに取り入れられるようになると、満足度は高まるし、日々の生活にはずみをつけてあげられるなぁと感じます。コレが正解!という王道があるわけではないですが、模索も楽しみつつ勤しんでいます。
会社組織で働いていても、サービス業でお客様と接していても、どんな場所で働こうが人間関係はつきもので。いつも自分の目の前の人に今の自分が何を提供できるか考えて、それを存分に発揮することでしか関係性を強くしていく術ってないのかなと感じています。
私の場合は、今目の前にいる生徒さんにどんなヨガを提供できるか考える。そして伝える。それしかない。どんなに世間一般で素晴らしいとされているレッスンでも、今そこにいる生徒さんに届かなければ意味がない。生徒さんの耳に、ハートに、体に届くポーズなり、メッセージでなければやる意味がないのだ。
実際は複数の生徒さんがいるので、ドンピシャで届けるのは難しいかもしれないけれど、生徒さんの傾向を考えたり、季節的な養生を取り入れることで、少しでも納得していただけるヨガレッスンに向かっていくのかなと考えます。
生徒さんのことを思う。あなたはヨガでどんな風に変わりたいですか?問いかける。リアルでも想像でも。そしてそれを実現に近づけていけるようたくさん学んで実践していく。相手のためにできることを考えて、自分の血肉にしていく。
レッスンはいつもライブ。生もので、今日の生徒さんのためのレッスンです。生徒さんの顔を見て、体の状態をよく観察して、今の自分が最大限提供できるものを届けていきたい。