【詩】明ける(No.4) ①
夜が明ける
地平線に一直線に光の帯が走り
地球と宇宙の区切りを示す
徐々に光が広がり
熱とともに
冷たい夜を凌駕していく
何も視界を遮るもののない
砂漠では
そんな
情景が
繰り返されるのだろうか
*
夜が明ける
雨戸を閉め切り
閉じこもった部屋
たった四畳半の四角い部屋は
光が夜を凌駕していくことも
夜が光を飲み込んでいくことも
知らずに
ただ闇を湛えている
*
夜が明ける
薄く雨戸を開けると
光の筋が
ほこりの粒を巻き踊らせる
斜めに落ちる光の筋は
わたしの全てだった空間を
残酷に切り取る
私の腕に光の筋が走ると
その新しい熱に
じりっと産毛が焼ける
*
砂漠の夜は
陽が昇るにつれ、明ける
わたしの部屋の夜は
わたしが押し開かないと、明けない
*
温もりを感じられるだろうかと
凭れた雨戸は
この部屋の冷気を吸い取ったのか
夜の冷気をまだ手放していないのか
ひやりとした冷たさを伝える
それなのに
伸ばした腕の産毛はじりじりと焼ける
今日は陽が強すぎる
曇っているときなら
雨が降っているときなら
もっと開けられるだろうか
夜が明ける様子も
見ることができるだろうか
差し込むものは
YESかNOかを問いただすような
この光の筋ではなく
わたしの居場所を包み込む
影のようなものかもしれない
曇っていても、雨だったとしても
夜明けは夜明け
むかし、少し閉じこもっていた時がありました。その時の自分のことを思い返してみました。
フォロワーの“ミズノさん”が、自らの執筆テーマにとりあげた「100のお題」。
選んだ言葉たちが面白くて、これって絶対自分では思いつかないやつ(笑)というのもあって、“いっちょかみ”することにしました。
タイトルの番号は、「100のお題」の番号です。