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地球に優しい? 侵略者(最終話 第66話 これからの事)
チャマンカ臨時政府から回答があったのは、ワランファが通告した締め切りギリギリだった。返信の内容はショードファ、ダラパシャイ、地球の独立を認めるというものだ。
その件がショードファ、ダラパシャイ、地球合同艦隊の全艦にアナウンスされると、乗員達は朗報に沸きたった。最後の最後はあっけなかった気もするが、ともかく勝利を手にしたのだ。
「よかった」
朗報を聞いた結菜が、そう発言する。
「これからあた
地球に優しい? 侵略者(第65話 恫喝)
「自分は、ショードファ宇宙軍のワキーファ准将だ」
彼の率いる宇宙艦隊は地球艦隊と合流し、チャマンカ星の軌道上にワープアウトしていた。
チャマンカ星の防衛システムは、ショードファ軍の準光速ミサイルによる攻撃後強化されたが皮肉な事に今回の内戦で、チャマンカ人同士の戦闘により、ズタボロにされている。
軌道上に浮かべた迎撃ミサイル発射装置は、政府軍とクーデター派の双方による攻撃に巻きこまれて破壊され
地球に優しい? 侵略者(第64話 戦闘配置)
やがてワープアウトしたのは、他でもない。ショードファ軍の宇宙戦艦だ。
「事前通告もなくワープアウトか!」
そう独りごちたのは、インド艦のカシュヤップ大将だ。60代の男性だった。インド艦は11隻が残存しており、地球人艦隊の中では実質的な指導的立場にある。次いで数が多いのが、中国艦の6隻だ。
元々インド艦と中国艦は人口比に応じて14隻ずつ配備されたが、激戦の後、現在の数まで減っていたのだ。
カ
地球に優しい? 侵略者(第63話 乗っ取り作戦)
相田一佐はフジヤマのブリッジにいた。フジヤマ含めた地球人艦隊は、宇宙の大海を航行中だ。そこへショードファ軍から通信が入った。相手はザースコ少佐である。
無論秘密通信で、チャマンカ人が乗っている地球人艦隊の旗艦には傍受できないようになっていた。
「今からちょうど30分後、地球のグリニッジ標準時で21時に地球人艦隊旗艦の自爆装置の起動装置を無力化する」
ちなみにグリニッジ標準時の21時は日本時間
地球に優しい? 侵略者(第62話 バサニッカ宰相)
永遠の星空に放たれた無色透明のレーザーは、モガラモガラのすぐ横をかすめただけで、艦に被害は及ばなかった。
「今のは、脅しだ」
勝ち誇った笑みを浮かべてのたまったのは、ザザッカである。
「多勢に無勢だ。貴様らに勝ち目はない。すぐに降伏せい」
「いかがしましょう?」
ポドンカ少佐が指向性のスピーカーを使いバサニッカのみに聞こえるように聞く。
「やむを得ない。降伏しろ。わたしは、自分の部屋に戻る」
地球に優しい? 侵略者(第61話 ポドンカ少佐)
バサニッカ首相は夫や子供や側近達とマイクロ・ワープし、軌道上の戦艦に転送された。戦艦は、モガラモガラである。
元々地球侵略に使用された艦であったが凱旋将軍のガシャンテ大将がチャマンカ星への帰還時に乗ってきた物だ。
現在はバサニッカ率いるクーデター派の所有物となっていた。
ブリッジには、議会占拠で功績をあげたポドンカ少佐の姿がある。バサニッカの命令でポドンカを先行してこちらへ寄越したのだ。
地球に優しい? 侵略者(第60話 観念)
もうこれまでと観念したその時、ズロッシャイをプラズマ・ソードで斬り捨てるべく剣を上に構えた敵兵の動きが止まった。気づくと敵の腹のあたりから、プラズマ・ソードの青い刃が突き出しているのが見える。
ズロッシャイがフルフェイスのヘルメットをかぶってなければ、焼ける肉の臭いがしたろう。反乱兵は腹から赤い血を流しながらゆっくりとこちらに向かって倒れてきた。
ズロッシャイがそれをよけると、兵はうつ伏せに
地球に優しい? 侵略者(第59話 激戦)
「反乱軍共のドローン部隊は、なかなかやりおる」
一見好々爺のような雰囲気のルーランカ少将が飄々とした口調で話した。
実際彼は70歳の老人だ。若い頃は黒かった毛皮が、加齢のためにところどころ白くなっている。
同世代のチャマンカ人には白くなった毛皮をホロメイクで若く見せる者もいたが、ルーランカはそういう真似に興味はない。
「マデリンカに連絡し、発電所を破壊するよう伝達するのじゃ」
それを聞いた
地球に優しい? 侵略者(第58話 バトル・ドールズ)
ワープ・ミサイルの群れだ。途中でマイクロ・ワープすると、降下中のバトル・ドール部隊の隊員1人1人を個別に包む透明なシールド内にワープ・アウトし爆発した。
1人、また1人と、バトル・ドールを身につけたダラパシャイ兵が死んでゆく。ズロッシャイを含めた45人のダラパシャイ兵が降下作戦に参加したが、降下中に次々と爆死してゆき、最終的に着地したのは34人となっていた。
ズロッシャイ達を積んできたオーニ
地球に優しい? 侵略者(第57話 ミッション発動)
「ちなみにどんな作戦ですか」
「人道上の理由でクーデター派による制圧後も、ズワンカ市に電気を供給してる核融合発電所は、そのままにしてきた。が、この際電気を止めると決定したのだ」
ルーランカが、続ける。
「当然反乱兵共はズワンカ市から部隊を出して、発電所制圧に向かうだろう。その際当たり前じゃが奴らはズワンカをすっぽり覆ったシールドを一時的に解除する。そこを狙って君らの部隊が潜入するのだ。中からシー
地球に優しい? 侵略者(第56話 ルーランカ少将)
ズロッシャイ中佐は48人の部下達と共にクーデター派を離れた。クーデター派がチャマンカ人至上主義者で、チャマンカ人以外の種族を滅ぼそうとしているのに気づいたからだ。
チャマンカ軍のマデリンカ大尉率いる部隊が首都ズワンカ市から離れた山岳地帯に立てこもっており、そちらと合流したのである。
合流してからチャマンカ時間で3日後に、マデリンカ隊同様反クーデター派のルーランカ少将の部隊が現れ合流した
地球に優しい? 侵略者(第55話 別離と再会)
翌日蒼介のホロホンに電話があった。夏映の名前がホロホンの上に立体映像で表示される。
「一色ですけど」
「治ったわ。彼、復活したの」
嬌声が、蒼介の耳に届いた。普段より何オクターブか、声が高い。
「チャマンカ人のドクターもびっくりしてる。あなたにもらったカプセルのボタンを押したら、体内のウィルスが消えちゃったの」
「大翔君は治ったんだね。それは良かった」
「もう起きて、普通に話せるの。それでドク
地球に優しい? 侵略者(第54話 このプレゼントを君に捧げる)
「特効薬だ」
蒼介は手に収まる大きさの、銀色の円筒形の物体を、夏映に向かってさしだした。一見昔懐かしい初代ウルトラマンが変身する時に使うベータカプセルのように見えるが、無論そうではない。
ベータカプセルのおもちゃでもなかった。
「これ、どうしたの?」
夏映は星を散りばめたような目で蒼介を見ながら、不審そうな声をあげた。2人は、夏映が住むマンションの一室にいた。蒼介が刺客に襲われて以来、2人は
地球に優しい? 侵略者(第53話 銀河との交信)
蒼介達の乗る宇宙船は地球の軌道上にワープアウトした。蒼介達は東京にある病院に転送された。
そこはチャマンカ人用に新たに建設された病院で、大翔はそこへカプセルごと入院する流れになったのだ。蒼介は1人で帰宅すると、戸棚にしまった小型通信機を取り出す。
以前結菜から気が変わってアース・パルチザンに入りたくなったら、その通信機で連絡するよう説明されていたのである。
どんなテクノロジーを使っているか