欲をかいてしまったために

秋に向けて  プランターの準備をしている。
土を耕し肥料を入れ、日々 着々と 野菜作りの準備をしている。

さて 今日の昼下がり、 冬に漬けた沢庵が残り少なくなったため入れ物を小さいものに交換する作業をした。
ビニールに残った、ぬか床。
これはどうやって捨てれば良いのだろう。
捨てるには 少々 惜しい気もするが。

私の中でふつふつと欲が芽生えてきた。
これを肥料にできないものか。
そう考え始めると頭の中は欲でいっぱいになった。捨てられねえ。利用するのだ。

早速 大きめのプランターに入れて 土と混ぜてみた。
続いて 別のプランターにも入れて土と混ぜてみた。
ぬか床が良い 肥料の役割をして 、この秋は大量だよ、クフフフ。
ニヤニヤとアホのように肩を震わせて笑う 姿が気持ち悪い。

作業が終わり 夕方。
プランターの周辺から たくあんの匂いが し始めた。
臭えよ、臭えよ。たくあん臭えよ。

不安が頭をよぎり始めた。
もしかしたら、あれかい？
ぬか床の塩分が土に悪い影響を受け始めるのかい。
これって土にとっては破壊的行為だったのかい？
それに臭えし。

欲をかいてしまった。 欲をかきすぎてしまった。
野菜のための土は、ただのたくあん 臭い 土に成り下がってしまったのか。
悲しい。
でももう後戻りはできない。

土の回復力を信じて しばらく様子を見るとしよう。

人生は 日本昔ばなし に似ている。
ふかふかになりつつあった野菜の土は、欲をかいてしまったばかり、臭え、臭え、たくあん臭のする土になってしまったのだ。