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精神病の正体と精神科医の犯罪 12  〈最先端研究が暴く不都合な真実〉

第1章 精神病の正体 その12 アルコールとストレスの符合

アルコール依存症と脳の萎縮
 アルコール依存症や薬物中毒でも大脳の萎縮が起きることがわかっています。アルコールや薬物はどちらかと言えば「ストレス解消」の為に使われるものす。ストレスと同じ作用があるようには一見思えませんが調べてみると多くの奇妙な符合が見つかります。
 アルコール依存症研究で有名な帝京科学大学眞先敏弘氏の著書「酒乱になる人ならない人」(新潮新書)などを参考にアルコールの謎を検証していきましょう。

アルコールが脳細胞を自殺させる
 赤ちゃんにとってエタノール(アルコール)が如何に有害であるかという項目の中で実験例が紹介されています。
 生後7日目のラットにエタノールを投与したところ、前脳(将来大脳になる部分)の多数の神経細胞(1匹当たり平均約1000万個)がアポトーシス(自殺現象)を起こしていたというデータが2000年の「サイエンス誌」で発表されているというのです。特に神経細胞がシナプスを形成して脳のネットワークを作っていこうとしている胎児期にこの作用が起こりやすく、シナプスを再編する活動が盛んな思春期にも起こることが指摘されています。
 アポトーシスというのはちょっと難しいのですが、細胞を直接殺すのではなく新陳代謝で古い細胞が死んでいくような「予めプログラムされた削除指令」ということです。人にアポトーシスが起きるとは記されていませんが、思春期と記されている部分は人を指しているとしか考えられないのでシナプスの刈込を意味しているように思えるのですが・・・。
ヤングアルコホリック症候群=精神病
 未成年者のアルコール依存症(ヤングアルコホリック)の特徴の中で人格障害、うつ病、不安障害などの精神障害が多く、特に女性のヤングアルコホリックは70%に摂食障害、中でも過食症を併発しているとの記述があります。アルコールが未成年者に紛れもない「精神病」を引き起こすことが明らかになっているということです。
 「脳の発達に重大な影響を与える」として未成年の飲酒が禁止されている理由が実はここにあります。日本では「何が何でも禁止」というだけでどのような悪影響があるのか具体的に示されてはいませんし、飲酒の影響でこうなったという事例も示されてはいませんが・・・。
アルコール依存症
 大量の飲酒を継続するとアルコール依存症になる事がわかっていて注意喚起されています。
 アルコールが切れると不安や手の震えなどの禁断症状が現れるものでこの原因がGABAである事がわかっています。つまりアルコール依存症はGABA過剰によって起きるダウンレギュレーションであり、アルコールはGABA過剰をもたらすことによって前頭葉の働きを低下させ不安やストレスを解消し解放的な気分にさせるということです。

引用 https://allabout.co.jp/gm/gc/302149/

ストレス解消
 ストレスを忘れられるのは飲んでいる時だけ、と思っている方も多いでしょうが、実際にストレスを「半永久的に解消」する効果がある事がわかっています。よく考えてみるとこれが「抗不安作用」である事がわかるでしょう。

自殺
 お酒が自殺を促進するという研究があります。実際に少なくない方が飲酒後に自殺しています。気分が良くなるはずのお酒が自殺を促進するのはGABA作用によって正気を失い妄想に支配されてしまうからです。

お酒を飲むと食欲が増す
 お酒を飲むと食欲が増すという現象がよく知られています。「胃粘膜が刺激される」とか「酔っぱらって抑制が効かなくなる」とか言われてきたのですが説明に無理がありました。ヤングアルコホリックに摂食障害が多いことも前述のとおりです。
 この現象が、食欲を司る神経細胞が活性化されることによって起きることを2017年に英フランシス・クリック研究所のグループがマウス実験で突き止めています。
 摂食障害は統合失調症の症状だと私は考えています。

お酒を飲むと眠くなる
 お酒を飲むと眠くなる事は誰でも知っていますね。その理由はご存知でしょうか?考えたこともないですよね。
 ストレスによって突然眠気に襲われ実際に眠ってしまうということがあり「ストレス性睡眠発作」と呼ばれています。
 CRH2型受容体系統の働きに睡眠作用があります。これが同じ現象によるものだと私には思えるのですが。

ブラックアウト 
 飲みすぎて記憶がないということも起こります。目が覚めたら自宅に帰っていたのにどうやって帰ったかわからないということが起きます。
  ブラックアウトと呼ばれるこの現象は記憶のない時に自分ではない誰かが何かをしている状態ですね。夢遊病とそっくりです。酒乱 アルコールによって悪酔いし暴言やDVなどの暴力、犯罪にまで至るケースが少なくないことはご存知でしょう。
酒乱 
 医学的には病的酩酊、複雑酩酊と呼ばれます。理性や社会性が失われて本能や怒りを制御できない状態としか思えません。
 GABAが引き起こすのが鎮静作用だけでないことがわかりますね。
 統合失調症の症状と似ているように思いませんか?違法薬物 違法薬物でも依存症が起きます。さらに幻覚や妄想などの精神異常も見られ、長期間続く統合失調症と酷似した「薬物性精神病」も起きます。
 麻薬類はCRH2型受容体系統に直接作用し、覚醒剤類はストレスと同じくCRH1型受容体系統に作用し、結果的にCRH2型受容体系統を作動させます。

大麻精神病

 これだけの符合が偶然などではないことは小学生でもわかるでしょう。共通しているGABA作用が原因だと考えれば全ての辻褄が合うことになります。
 もうGABAが精神病、統合失調症の原因である事を疑う方はいないはずです。にもかかわらずこの事実は公式に認められてはいません。どうしてなのでしょう?
 たまたまアルコールや違法薬物がストレス後の抗不安作用、鎮静作用、多幸感をもたらすCRH2型受容体を作動させる情報伝達物質と同じものだった・・・ということなのだと思います。だからこそアルコールや違法薬物を人は求めてしまうのです。アルコールは弱い麻薬に他ならないという当たり前と言えば当たり前の話です。

 「自分の父親は毎日酒を飲んでいるが酔っ払うだけで精神病になどなっていない」と言われる方は多いでしょう。
 おっしゃる通り、お酒を飲む人はたくさんますが酒癖の悪い方は一部の方でいつも一緒です。量を飲む方が酒乱とも限りません。
 子供は飲んじゃいけないが大人は飲んでもいいのはどういうわけなのでしょう?
 当たり前ですが同じストレスを受けても精神病になる人とならない人がいます。何がそれを分けるのでしょうか?

               精神病の正体と精神科医の犯罪13に続く
       *この文章は「悪魔の処方箋」を加筆、再構成したものです
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吉村敏男
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