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少女都市からの呼び声

千穐楽を終えたので色々と考えたことを書いてみる。
私が観劇したのは21日夜の部
千穐楽の前の公演ということできっと世界観はほぼ完成された突き詰められたものだと思う。

あえて調べずに、あらすじをそれとなく触っただけで何を感じるのか楽しみにしていた。

田口と生まれてくるはずの雪子
友人の有沢と婚約者のビン子

私が見た中でまともな存在としていたのはビン子だけだったと思う

ビン子は田口が有沢に友情以上の気持ち(恋愛かはわからないけど、独占欲なのは確か)を持っていることも、それを有沢が気付いていることも、田口とビン子を天秤にかけたとき婚約者を取られるかもしれない危機感も全部わかっていたと思う。

そうじゃないと同性の友人に対してあれほど嫉妬したり、焦ったりしないんじゃないかな
それに女性は勘が鋭いから

雪子自身は田口の本能で
田口自身は理性かな
でもフランケン博士も理性な気がするんだよな

「外の世界には絶対に行かせない
外の世界に帰るなら雪子を壊せ」

フランケン博士が何度も言ってた言葉だけど、
雪子のように素直に大きく笑ってしまうと本能が出てしまうことがわかっている田口
お腹を押さえて笑うのは理性で押しとどめているからかなと

「外の世界には(本能)を出させない
戻りたければ(本能)を確実に無かったことにしろ」と解釈したんだよな

そして雪子たちがいたあの世界は田口の精神世界で
女性を軽蔑する(もしかしてビン子がいるから?)のも乞食たちが「くれくれ」と欲まみれで手を伸ばすのも田口の心の内かなと。

「女として生きろ。」「有沢!有沢!」と田口が言うのも本能に飲まれてしまったのかな
最初は雪子たちを「狂ってる…」と言ってたけど雪子が代わりに生きれば有沢と一緒になれる!っていう一番の欲に飲まれてしまった

有沢もその雪子(本能)に惑わされたのか、本能を暴かれたのかそれはわからないけど拒絶できなくなってしまった。


ビン子は自分が恐れていたことが起こってしまったから、婚約者をとられたくない(これも本能だし欲)だから雪子を田口の中に戻そうとした(閉じ込めようとした)

結果的に抑え込まれた雪子を壊してしまったのは田口自身で、田口の中にいた雪子は壊れてただのガラス玉になってしまった。
割れたガラスの音に田口は雪子を思い出すんだけど、そのときにはもう完全に失ってしまった

そんなラストだと私は思ったかな
1回しか見てないから何度もみれば変わるのかもしれないけど、田口の精神世界の話で有沢とビン子以外は田口の本音というか田口が作ったものなのかなって

鬼滅であった精神の核みたいなのが雪子だったのかなと
鬼滅だとその核を壊してしまえば死ぬ?みたいな感じだったからそういうのかな?(笑)

リボルバーのゴッホもそうだけど、今回の田口も自分で自分自身を壊してしまったんだなって胸が苦しくなった。

田口は同性愛者だったのか、それとも女性になりたかったのか、もしくは女性だったら…っていうifなのかわからないけど、男性(田口)としても女性(雪子)としても彼の中に二人いたというのもある気がするし、やすくんが長髪で挑んだのもきっと意味があるよね。

ガラスがテーマにあるからセットもビー玉の使い方もスクリーンの使い方も綺麗だったし
音楽もあって新喜劇のような笑える場面も多くあって、アングラ演劇って面白いんだなって思ったな。


他の人の考察とか解釈とかもまた見てみようと思う






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