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今日の一福
2024/03/19
ここ数日、北陸新幹線開業で湧いている。
「人生の悲願でした」と涙ぐむ初老の男性。
「9年間生きてきてこんなにうれしいことはないです」と万歳三唱する眼鏡の男子。
「100年に1度のチャンスですから」と紅潮するビジネスマンたち。
「出発進行」の大号令に揺れる各駅。
ポンポンを振るチアリーダーたち。
その上空ではブルーインパルスの展示飛行。一様に見上げる顔、顔、顔、顔。
その一方でラストランとなる特急列車に乗り込む男性。一眼レフのカメラを手に、何事かを噛みしめるようにそっと言った。「この日のことを忘れてはならないと思います」
世にもふしぎな、すてきな景色。
列車という、本来どこからどこまで物理的に移動あるいは運輸するためのはずのものに、みんなそれぞれ、思い思いのものを乗せている。そもそもの目的計算など遥か超える。思いもよらずにまあ高らか。人間ってこういうこともできるのか。
それ夢や希望、歓喜に情熱。それぞれに異なる虹を見るよう。七色ではとても足りない。何色になるかもわからないし、何色にもならないかもしれない。足し引きあってないような無限の豊かさ。
この魔法の万華鏡をのぞき込む気分ときたら、とても一度に堪能できない。何度も何度も、いちいちテレビに見入ってしまう。そわそわする。ついうっかり飛び込みたくなる。わたしはなにを乗せようか。
忘れまいと、ここはがめつくnoteしておく。