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【D-108】涼風「六拾プチ煩悩ビーム」

おもしろかった。おもしろすぎました。

これから60分の漫才が始まろうというときに松尾さんが「僕らの漫才はネタ中に死生観と向き合う時間とかがあります」と言い出して興奮で脳が熱くなりました。

ネタ中に死生観と向き合う漫才ってなんですか?

“ネタ”と“死/生”という言葉の重さが違いすぎておかしいし、涼風の漫才の哲学的なところ(大好き)を端的に言い表していてかっこよすぎます。


配信期間も終わってしまってからこの記事をあげるの本当にどうなってるんだ。もっと早く書いてみんなに涼風を見て!!って言うべきでした。次何かある際にはがんばります


・涼風の60分漫才
60分のうちに色々なネタが詰めこまれてましたが、繋ぎ目がシームレスすぎて気づいたら次のネタ、次のネタ、と進んでてあっという間の60分でした。

どこが何本目かとかが分からないのですが、一番最初のネタと、ダジャレのネタ、コンビニのネタ、正義クイズのネタがめちゃくちゃ好きでした。

言葉遊び系のネタ以外にも、舞台を広く使ってみたり歌ってみたり走ってみたり2兆さんがほぼ喋らなかったり照明と音楽使ってみたり、色々な試みが散りばめられていました。

全部のネタで見せ方が違って、2人ともめちゃくちゃ器用なんだなと思いました。


・良い匂いのする言い方
涼風の漫才の、良い匂いのする言い方がめちゃくちゃ好きです。

・“ふとんがふっとんだ”は夏やね
・人間はおじいちゃんだと思って話せばすれ違いが少ない
・どっちが正義でしょうゲーム

言い回しという意味でも、言い方とか間とかそういう意味でもそう。
このあと絶対おもしろいことになるぞという期待が良い匂いになって漂っています。


・身に覚えある感覚の話
あるあるって言うほど身近じゃないけど、自分の持ってる言葉になってなかったモヤモヤを全部言語化していて感動します。

・ヒナから聞いたタケルの話/知らんやつから聞いた知らんやつの話もう知ってる
・ビスケットってこんなに必要?/食べたときの音全部一緒なのに

このへんとかかなり最高でした。
確実に思ったことあった。

・アルミ缶の上にあるみかん/誰がいつ置いといてん/どういう大きさやねん
・コンビニの店員の感じやりたいやつなんかおらん

とかの、「ベタ」に対する抵抗感とかも良かったです。“コンビニの店員の感じ”なんて知りたいならコンビニ行ってこいよなのめちゃくちゃわかる。


・死生観、哲学
「人間ってこういう生きものなんだろう」
「愛とは」「正義とは」とかを漫才の中で本当に言ってます。

そしてこれが変に痛い感じでもなく、茶化してる感じでもなく、初見でもちゃんと涼風の世界観として伝わるのが本当にすごいと思います。

・人生って果実?/全然分からんけど否定はしたくない
・知らんお茶のことは知らんまま死んでいく
・最後の愛を振り絞って曖昧に恋を死なすの!
・愛って結局「かわいい」とかそんなもの
・罰として永遠の命を与える/やっぱりわたし松尾さんには死んでほしい

死生観と向き合う、を本当にやっているので、途中ディベートみたいな時間ありました。あんなん楽しい。ずっと聞いてられます。

あと「伝わらんかったら悪なんてそんなわけない」みたいなのも、現実のメタファーのように感じられて、確実に熱いもの持ってるの垣間見えるのも良いなぁと思います。


・まとめ:涼風はチャーミング
こんなにしっかり世界観が確立されてるのに、案外くだらない笑いもいっぱいあって楽しいです。

「うんち丸出しアホ侍」とかの、けなしつつも語感の良さでギリ許されにいこうとしてる感じとかもめちゃくちゃ良いです。

エンディングでやっと台本以外のことを喋った2兆さんのふわふわ加減もかわいらしいし、そんな2兆さんの油断を絶対見逃してやらない松尾さんも良かった。

YouTubeの配信とかも含めて色々見て知っていくたびに、涼風はとってもチャーミングな2人だなぁと思います。

2人の「がんばる」を、今この瞬間ぜったいに応援しなきゃ!と思います。涼風大好き。

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