ヘビの餌:餌としての鳥類の話し
ボアやニシキヘビの餌の項目(https://note.com/calliophis/n/n627dcce64f29?magazine_key=m84cddec287bb)でヘビの餌として、鳥類が非常に優れているという旨をご紹介しました。
鳥類は高タンパク低脂肪でビタミン類を豊富に含む、人に対しても非常に価値の高い食品です。
ヘビをはじめとした爬虫類に向けて市販されている鳥類では鶏肉やウズラなど種が限られていますが、人に向けた食品としてはさまざまなものが選択できます。
なかでもホロホロ鳥は各種ビタミン類に加え、脱皮不全の予防に有効なコラーゲンも豊富に含む非常に栄養価の優れた餌動物です。
やや価格が高いといえばそうですが、カロリー量を考えると給餌間隔は十分にとることができ、長い目で見れば決してコストパフォーマンスの悪い餌とは言えないと思います。
良質のタンパクを豊富に含む、という意味ではハトもヘビの餌として優秀だと言えるでしょう。
コラーゲンと同じく脱皮など代謝機能の健全化に有効なビタミンB2を豊富に含みますので、特にボアやニシキヘビの餌ではできるだけ恒常的にローテーションに取り入れたい餌の1つです。
価格についてもホロホロ鳥と比べるとだいぶ安価ですので、コスト面でも心配は少ない餌動物ではないでしょうか。
ハトと同様に高タンパク、低脂肪なのがキジです。こちらは抵抗力、免疫力を高めてくれる必須アミノ酸の含有量が多いことが知られ、特に体力が落ちがちな妊娠中、産卵前や脱皮前後、あるいは寒い時期から暖かい時期への切り替わりで長く餌を食べていないヘビなどにはキジの肉が効果的です。
これら鳥類は丸のまま与える他、ナミヘビ類など身体の小さなヘビでは解体して与えるのもよいでしょう。部位ごとに切り分けて冷凍し、給餌の際にそれぞれを少しずつブレンドして全ての部位を満遍なく与えられるようにするのが理想的です。
哺乳類や各種外温性動物と比較しても決してヒケを取らない、非常に栄養価の優れた鳥類。
現状ではまだヘビの餌としてあまりメジャーなものではありませんが、もっと普及してもいいのではないか、と思われます。