【書評】 ウェルビーイングのつくりかた 「わたし」と「わたしたち」をつなぐデザインガイド
ウェルビーイング社会の切り札「ゆ理論」とは何か?
現代社会が直面する課題を解決し、ウェルビーイング社会実現への道標となるフレームワーク
本書は、単なるウェルビーイングの解説書ではありません。
AIの進化、格差の拡大、地球環境問題など、複雑化・多様化する現代社会の課題を解決し、ウェルビーイング社会の実現を目指す私たちに、新たな視点と具体的な指針を与えてくれる革新的なフレームワーク「ゆ理論」を提唱します。
「ゆらぎ」、「ゆだね」、「ゆとり」という3つの要素からなる「ゆ理論」は、従来の画一的なウェルビーイング概念とは一線を画し、一人ひとりの個性と多様性を尊重した、柔軟で適時的かつ持続可能なウェルビーイングの実現を可能にします。
本書で得られる3つの大きな気づき
* ウェルビーイングは「わたし」と「ひとびと」の双視点から考える
従来のウェルビーイング研究では、個人と集団という2つのスケールで測定されてきました。
しかし本書では、「わたし」と「ひとびと」の視点に加え、個人の価値観や行動が互いに影響し合う「マイクロ=マクロ・ダイナミクス」を捉えた「わたしたち」という新たな視点からウェルビーイングを考えます。
「ゆらぎ」で生まれる新しい可能性
人々の価値観やニーズは常に変化し、一人ひとり異なります。
サービスやプロダクトは、個々人がその時必要とするサポートを与えられるよう設計する必要があります。
「ゆらぎ」は、変化や多様性を受け入れる柔軟性を生み出し、新たな可能性を開きます。
「ゆだね」と「ゆとり」で生まれる真のウェルビーイング
人の自律性を尊重し、本人に何を与えるべきか考える「ゆだね」と、プロセスそのものを楽しむ「ゆとり」は、ウェルビーイングの本質的な要素です。
「ゆ理論」は、これらの要素を活かし、真のウェルビーイングの実現を目指します。
「ゆ理論」を実践する具体的な方法
本書では、「ゆ理論」に基づいたサービスやプロダクトの具体例が数多く紹介されています。
高齢者向け住宅「銀木犀」、電動車椅子「COGY」、リアルタイムチャット「TypeTrace」など、それぞれの事例を通して、「ゆらぎ」、「ゆだね」、「ゆとり」をどのように実践できるのかを鮮やかに描き出しています。
本書を読んだ感想として
本書を読んだ感想は、一言で表すと「目から鱗」です。
これまでウェルビーイングについて漠然と捉えていたものが、明確なフレームワークとして整理され、具体的に実践できる方法が示されていることに大きな衝撃を受けました。
特に、「わたしたち」という新たな視点は、個人のウェルビーイングと社会全体の利益を両立させる鍵となる可能性を秘めており、今後の社会のあり方にとって非常に大きな示唆を与えてくれると感じました。
本書を特におススメしたい人
* サービスやプロダクトの開発者
* 人事・総務担当者
* 社会課題の解決に取り組む人
* ウェルビーイングに興味がある人
* 新しいアイデアを求めている人
本書と合わせて読みたいおススメの書籍
* 『ウェルビーイングな社会をつくる──循環型共生社会をめざす実践』草郷 孝好 (著)
* 『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』渡邊淳司 (著, 監修), ドミニク・チェン (著, 監修)
* 『展職のすすめ 人生のバリューを上げるキャリアアップ転職の秘訣』石合 信正 (著)
本書のまとめ
本書は、サービスやプロダクトがいかにして人々のウェルビーイングに貢献できるかを論じた書籍です。
従来の発展モデルには限界がありまして、環境破壊や不平等などの課題が山積しています。
そこで、「ウェルビーイング」という概念が重要視されるようになりました。
ウェルビーイングとは、単に個人の幸福を指すだけでなく、他者や社会、自然との関わりの中で実現されるべき、よりよい生き方のことを指しています。
著者らは、「"わたしたち"のウェルビーイング」という考え方を提唱しました。
これは、個人と集団の二項対立を超え、相互に影響し合う存在として人間をとらえる視点です。
そして、この考え方を具現化する方法論として、「ゆらぎ」「ゆとり」「ゆだね」の三要素から成る「ゆ理論」を示しました。
すなわち、個人の変化に対応しつつ、(ゆらぎ)、プロセスそのものの楽しみ(ゆとり)を喚起し、一方で個人の自律性を尊重する(ゆだね)ことが重要とされています。
実際のサービスやプロダクトの事例を通して、この「ゆ理論」の有効性を示唆されています。
本書を手にすれば、自ら考え、実践に移すきっかけとなることでしょう。
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