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フィボナッチ数列(0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, …と続く数字の配列 0編)

河川敷の中道で、大きな口を開けて歌いながら走る女の子がそこにいた。

「デイバッグ」を背負い、キックスクーターを使って、風を切りながら歌う、15歳になった4月のエマの姿に違いないようだ。

図書館にはいつも電動キックスクーターのシェアサービスを利用しているので、図書館から帰る途中のようだ。

図書館は、この季節にはたくさんの桜が咲く河川敷に面した道路の傍らにある。

そして図書館の隣には、小高く盛られ、木々が生い茂り、その中心に建っているお城(Castle)もある。

そんな風景や時間がチャートと重なり合い、全てが1枚の写真のように見えてくるから不思議だ。


2021年4月3日

追試を乗り越えたエマが進級する日がやってきた。

これから最後になるであろう産婦人科医院の検診を済ませて、長女とジョージの暮らすアパートに帰って行く日が来た訳だ。

前日には妻と二人で河川敷の桜を見に行ってきた。

いつもより少し早い3分咲きの花を、エマの卒業と感傷の記念にしたかったからだ。

数週間足らずの時間に過ぎないが、老いぼれジィジiの家族全員で一緒に暮らした、最後の時になるであろうと考えたからだ。

後回しになってしまったが、何故追試なのか説明して置く必要がある。

一口で述べると、エマの口がオチョボ口だった事が追試の原因である。

退院後最初の検診でそれは発覚した。

何と100グラムしか体重が増えていなかったのだ。

廻りの家族は、「大人の顔になってきた」とか、「しっかりとした品のある顔付になってきた」ともてはやしていたが、実は栄養が足りていなかったのだ。

一言でいうと、エマはミルクを吸う力が弱かったのである。

母乳の吸い方や哺乳瓶をPigeon製の違う商品に変えただけで、1週間後の追試には合格したので安心した。

それと並行して日に日に、横になると顔からほっぺが落ちそうになってきたが、皆歓迎した。

そして、歓迎したまま今日エマを見送った。

老いぼれジィジiは枝分かれした「イチジクの芽」が昨日より更に大きくなったことを見送った後再度確認した。

色々なことを再確認しながら部屋に入ると、金(ゴールド)の12時間足チャートのフィボナッチギャンボックスが目に入ってきた。

まるで、お城(Castle)から0.618%を境に、川から水が流れ出ているようだった。

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