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悪ガキが今の私の道しるべ

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。
私は大学3年の冬まで体育会バスケ部で活動をしていました。
今回はそこで出会った後輩とのお話です。

 私が所属していたバスケ部は地方でも弱小でした。私が入学した際の部員は8人ほど。監督もいないので練習メニューも自分たちで考えなければいけませんし、練習で 5 vs 5 すらできません。1年で経験した試合は全敗。理由は単純で練習不足。偏差値の低い大学によくある話かもしれませんが、自律心の無い学生が多く、練習をサボる人が多かったのです。そんな状況のチームで活動していると、あっという間に1年が経ちました。私が2年となり、チームを任されたタイミングで新たに後輩が5人入部してくれました。

その中に彼がいました。

 受験勉強の影響で少しふっくらしていましたが、バスケのスキルが高いうえに、大阪出身でトークも上手く、結構モテていました。入部してからは、シュート勝負や1 vs 1、スマブラに至るまで何かと私と張り合ってきましたし、持ち前のトーク力で私をイジったりもしてきましたが、意外と礼儀正しい。いわゆる生意気だけど憎めないタイプの可愛い後輩です。ただ、彼も他の学生と同様、自律心はあまりなく、「スイマセン、寝坊しました!」と練習に遅れてくる事もしばしば。その都度、私は根気強く指導しましたが、1番大事にしていたのは、自分がしっかりする事。自分が寝坊や事務的なミスをしないように、チームメイトを堂々と指導できるようにしていました。

 さて、そんな彼の加入もあってか、私は2年の秋に公式戦で初勝利をあげることができました。嬉しさを噛み締めつつ、活動を続けていると、あっという間に時が経ちました。

 3年になってからは彼にチームを任せ、私は再び選手としてチームを支えることになりました。彼をそばで見ながら「こいつも成長したな」なんて思っていたら、すぐに冬になり、私にとって最後の公式戦がやってきました。2日間にわたるリーグ戦が終わり、引退の時が来ました。解散前に輪になって行うミーティングで、私は最後の言葉を後輩たちに残し、引退しました。そのミーティングの直後、彼が僕のところへ駆け寄ってきて、こう言ったんです。

後輩「俺、カルフさんがいたから入部したんです。ホンマは大学でバスケを続ける気はなかったんです。でも、カルフさんに会ったから…。今までいろいろと迷惑をかけてスイマセンでした。これからはもっとしっかりします。」

泣きながら。今まで彼が泣くところなんで見たことが無かったし、彼が泣くようなタイプでもないと思っていたので、思わず私も涙ぐんでしまいました。

「こんな俺でも誰かを前向きにできたのかな?」
「これからの人生でこんな気持ちになることがあるのかな?」

家路につき、ボーっとしながらそう考えていました。実は私は3年になった頃から、学科の中で孤立することが多く、鬱気味になっていたので、自分のために涙を流してくれる人がいたことに驚きましたし、生きていてよかったと心の底から感じました。この気持ちを忘れたくなくて、その夜から日記をつけ始めました。以来、1日も欠かさず6年半の間書き続けています。引っ越しの際に、その日記たちが目に留まったので読み返してみると、泣きたくなるようなことや笑ってしまうことまで、たくさんのことが綴られていました。6年半分も。

 彼とはもう何年も連絡をとっていないので、久しぶりに会いたくなってきました。今、自身の大学生活を振り返ると、その可愛い悪ガキだった彼との思い出が、努力を継続できる自分の道しるべの1つとなっていた気がします。再会した時の言葉を考えておかないと。

「ありがとう。俺も〇〇のおかげで努力を続けてこられた!」

こう言おうっと!





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