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「中華モニターイヤホン」は使えるのか?(ドラムで検証)

ここ数年、低価格ながら本格的なイヤホンを楽しめる、「中華イヤホン」というジャンルが台頭しています
上を見れば際限がないオーディオの世界の中で、KZを始めとするブランドの中には、1000円台から購入できるものもあります

中華イヤホンの中には、「IEM(インイヤーモニター)」を名乗っているものが少なくありません
Shure215など、エントリーモデルですら10,000円はするモニターイヤホンが、千円で買えるなら、それほどありがたいことはありません
下記ツイートはIEMという言葉を使用している一例です

今回は、自分の持つ複数の中華イヤホンの中から、特に安価にかえる数モデルを比較し、「モニターイヤホン」として使えるかどうかを調べてみます

注意

今回の「モニターイヤホン」とは、楽器を演奏する際に音源やメトロノームを流すために用いるイヤホンのこと
DTMなど、楽曲制作で使う、フラットな特製のイヤホンという意味ではないので注意!
一応、フラットなイヤホンを今回のイヤホンの中から選ぶなら、Kinera Celest Wyvernがおすすめです

検証方法

自身がドラマーなので、検証にはドラムを使用しました
ドラマー向けにはなりますが、ギターやベースなど、他の楽器でも参考になると思います

評価の指標として、
・演奏中の音楽の聞こえやすさ
・クリック(メトロノーム)の聞こえやすさ
を確かめました
メトロノームにはYoutubeのこちらの動画を使いました
電子音寄りの音です

使用イヤホンたち

今回使用したイヤホンは、
・KZ  EDX PRO X
・KZ ZSN PRO X
・TRN Conch
・Kinera Celest Wyvern(Black)
です
価格順に並んでおり、約700円〜3500円ほどです
高価なものは趣旨がずれるので省きました
お金あるならShure215とかIE100Pro買えばいいからね…

また、一律で同じフォームイヤーピースを使用しました
別売りですが、モニターイヤホンとして使うなら必須となります
結構色々な100円ショップに売っているので、別途購入しましょう
TRN Conchには付属しているので別途購入は必要ありません

結果

表示順に聴き比べました
最初のEDX PRO Xは基準として使っています
イヤホンごとに個別の記事もあるので是非ご覧ください

結論から先に書いてしまうと、
•しっかりと使える
•特にZSN PRO Xがオススメ
、です
フォームイヤーピースのおかげで、全てのイヤホンで遮音性が足りないということはありませんでした

KZ EDX PRO X ○

今回検証する中で最安値となります

他のイヤホンと比較するとスネアドラムの音が少し目立つように感じますが、遮音の面では役割をしっかりと果たすことができています

音質としても問題はありませんが、メトロノームの音が埋もれてしまうように感じました
音量を上げれば問題はありませんし、価格やデザインが好みならばこれで大丈夫な気がしました

KZ ZSN PRO X ◎

遮音性はEDX PRO Xと全く同じですが、スネアではなくタムの音が目立つようになったように感じました

バスドラムのアタック感が減り、ボワつくように聞こえるようになりました
個人的には好きではありませんが、遮音という意味では成功しているのかも?しれません

音の傾向がドラムとマッチしています
ドラム以外のウワモノ(ギターやボーカル)が聞こえやすく、叩いている自分の音と被っていないように聞こえました

メトロノームの音も今回の中で一番聞こえやすかったです
フィルの最中など、タムやシンバルを連打しているような時でもハッキリと聞き取ることができました

これはZSNシリーズの「過剰なまでのドンシャリ傾向」が良い方向に働いているからだと思います
ここまでのドンシャリは他にはないので、なかなか良いものに出会ってしまった…という感じです

とにかく「安くて聞こえやすいモニターイヤホンが欲しい」ならこれをオススメします

TRN Conch △

リスニング向けとして絶大な人気を誇っている今機ですが、モニターイヤホンとしては…?

結果的には向いていないと思いました

遮音性が他のものと比べて高くありません
独特な形状のせいで、装着がしにくいためだと思います
逆に言えば、耳栓をつけていない音に最も近く、耳を大音量から保護するという役割は果たしきれるため、アリといえばアリなのかもしれません

後ろで曲を流した時の高音域がとても伸びやかで、やはり音楽鑑賞用なのかなという印象です
ただ、モニターイヤホンでそこまで必要か?と言われると…

メトロノームの音はある程度聞きやすくはありますが、遮音性が低い分、同じ帯域のシンバルと被ってしまうように聞こえました
2番手といった感じです

価格も上2つより1000円以上高くなってしまうので、モニターイヤホンとして使うなら買わないほうがいいかなと思いました

Kinera Celest Wyvern(Black) ○ (デザイン◎)

このイヤホンは他と比べて少し大きいので、耳から少し出っぱります
装着感に影響はありません

遮音性に関してはKZの2機種と変わりません
バスドラムは大きく聞こえるように感じましたが、誤差の範囲内でしょう

音質としてはある程度フラットにまとめてあるはずなのですが、
低音域、特にベースが目立っていて、それが自分の叩くドラム音を聞きにくくしています
曲と合わせて演奏するには不向き
だと思いました

音を大きくしてもこの傾向は変わらず
一方で耳が痛くなるようなことがなかったので、まとまりのある良いイヤホンだということは感じました

メトロノームの音は可もなく不可もなく、優等生といった感じです

このイヤホンには、
・無印(緑+白)
・Black(紫の鱗)
・Qing(青or緑)
と多様なカラーバリエーションがあり、デザイン面では最も優れています

Blackはこんな感じ

普段のリスニング用途でもこの中で一番癖がない音を楽しめるため、デザインが好みなら良いと思います

まとめ

中華イヤホンもしっかりとモニター用途で使える
という結果になりました
遮音性に関しては問題がなく(Conch除く)、後は音の傾向で判断したような形です
ドンシャリ系の方がメトロノームのクリック音が聞きやすいため、今回は上位に来ています

自分が良かったと感じたのはZSN PRO Xですが、
ZSNシリーズには無印、PRO、PRO2など様々なモデルがあるので、買う時点で一番安いものを選ぶのが良いと思います
全てマイナーアップデートで全体的な傾向は変わらないので…

さらに、Aliexpressで購入することでAmazon価格よりずっと安く購入できるので、勇気がある方はそちらも検討してみてください
イヤホン一覧で表示していた価格はAliexpress価格になります

1例  上:Amazon  下:AliExpress

学生であったり、お金をかけられない場合は数多くあるので、この記事が助けになったらなと思います
ちなみに、今回紹介したイヤホンたちはShure125に音質でも負けてないです!
普通にコスパのいいイヤホンとしてもおすすめなので手に取ってみてください

それでは別の記事で!

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