ガトー　ド　クレープ

今月のメニュー『ガトー　ド　クレープ』
30年間封印してきました。
当時働いてたお店で毎日作っていた商品で、
手間がかかるので2台ほどしか出来ませんでした。
それでも毎日完売で、自分にとっては思い出深い商品です。もともとはフランスの三つ星レストランのデザーで日本で再現して欲しいとのお達しでした。

レストランが発刊していた雑誌からの抜粋ですが
こんな姿でした。
クレープスフレ生地をフライパンで焼き、更にオーブンで焼き色をつける。フランボワーズのコンフィチュールでサンドする。まあ、手間がかかる(笑)
そんなわけで封印して来たのですが、30年ぶりに作ってみました。

本来ならフランボワーズのコンフィチュールをサンドするのですが、当時から『フランボワーズのジャムいる？』と。何故ならば生地が圧倒的に美味しい。
余計な物はいらんでしょ。
当時も勝手にジャムを省いて販売してました。
バレたら怒られますよ(笑)
今でいうパンケーキに近いけど似て非なるもの。
一緒にして欲しくない。
どうぞそのまま食べて、
味変でフルーツソースやメープルシロップも許します。
今食べても本当に美味しい。

80年代の終わりから90年代初頭の三つ星レストランのデザートはこんな感じでした。

リンゴのソルベにリンゴのチップ。
リンゴを扇型にする発想が素晴らしい。

最初に見た時の衝撃は忘れられないですね。
薄いチョコレート片にムースショコラがサンドしてある。
斬新なスタイルに度肝を抜かれた。

90年代に入ると更に進化した。
美しいの一言。

タタン
今でも大人気のタルトタタンに
マンゴーとバナナを入れて焼き上げてる。
発想に驚いた。自由でいいんだと。
ティザーヌのレッスンメニューにも入れたけど
消化不良だったな。当時の生徒さんごめんなさい。

いわゆる、ウフ　ア　ラネージュだけど
メレンゲをお湯や牛乳で茹でた
ふわふわの家庭で作られるデザート。
三つ星レストランになると洗練される。
更に驚いたことに、80年代の終わりに
スチームオーブンで作られていた事。
目から鱗だった。

キャラメルのスフレ
美味しかったなあ。

キラ星のごとく輝いていたデザートも、
見返すと古さを感じる。
基本はなにも変わってないんですけどね。

そんなこんなで、今月のメニューに
『ガトー　ド　クレープ』
30年振りにやります。