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グルテンと酸

パイ生地の配合で、粉の中に 水と共に酢を一緒に加えるのですが、もともとは、冷蔵庫がない時代にカビの発生を抑える目的で加えていました。

酸によって科学的に酸化、分解され、グルテンは軟化します。弾性は弱まり、結果としてさくさと軽さをもたらしました。

グルテンが軟化するので伸展性も良く、製法上ねりが浅くグルテンをあまりだしませんから ソフトな軽い舌ざわりなります。

パイ生地が浮くということは、何が作用してるのでしょうか?

バターの層によって生地の層が互いに粘着するのを防いでいます。熱を加えると生地とバターの中の水分が蒸発し、この水蒸気をグルテンの網(グルテンは網の目状に張ります)と澱粉による層が外に出ることをさえぎり、その結果、生地の層と層の間の気圧が高まって上に膨張していきます。ですからなるべく高温で、一度に多くの水分を蒸発させたほうがより高く浮くわけです。

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レッスン中のキャトルカールです。

充分に泡立った生地に多量のレモン果汁と溶かしたバターが入ります。焼き上がった後、縮みが激しくなることがあります。これは、酸によってグルテンが弱くなり多量のバターを支えられなくなったためです。なのでこのレシピには、薄力粉と強力粉を半々にしてグルテンを補強して縮みをなくしています。


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