日本語の勉強しよ!【友達にそれはないわ〜】
私が日本語ボランティアとして参加している日本語教室でのことを書きます。
受けた質問のメモとか、私が勉強した内容の備忘録とか、おしゃべりタイムのこととか。いろいろ書こうと思います。
それ、友達に言う?
フィリピン人のブライアンは、うちの日本語教室の、今のところ最古参の会社員である。日本人の奥さんを深く愛し、日本でマイホームもゲットした、大変子煩悩なパパさんである。
彼が、日本語学習の上で重視しているのは、
友達レベルの会話で使う言葉かどうか。
この視点は、彼らの死活問題でもある。
ブライアンと、教材に出てくる「次第」の使い方について勉強していたときのこと。
「V」は動詞のことと思われる。動詞に、丁寧語の「ます」が普通は付く(決まります、みたいな)んだけど、それを取っ払って、「次第」という言葉を付ける使い方があるんですよね、っていう勉強する単元らしい。
「次第」かあ〜。
「友達同士の会話で使わないですね。仕事で使います」、と説明する私。
「お知らせする次第です」かあ〜。
友達にこんなこと言われたら、友達じゃないですね。
「仕事で使います」。
それにしたって、「次第」自体、日常的に使わない。仕事のメールで使うことがあるかなあ。
もしかして、「次第」も段々と使われなくなっていくんだろうか。
言葉は生き物なので、生まれては消え、消えてはまた新しい言葉が生まれている。最近の若い言葉で言えば「ワンチャン」とか。ここ10年くらいだと、「まるっと」なんかも若いと思う。かつての「ナウい」みたいに、あと何年かで死んでいく運命の言葉もいるんだろう。
エモいな。
そもそも、「次第」って日常会話で使わないよね。日本語教室であらためて気づかされることって多いけど、ほとんどの気づきが「ふだん私たちがこの言葉を使ってしゃべってないよね」だと思う。
もちろん、しゃべり言葉として使わない日本語も、日本語教室では説明する必要がある。教室に来てる生徒さんたちは、日本の企業で働いている人たちがほとんどだからだ。働いている場で、友達みたいな感覚でしゃべってはいけないことも、私達は伝えないといけない。
そして、彼らの話から推測すると、おそらく「より日本語を使える人のほうが、給料が高くなる」ようだ。能力によってサラリーに差がつくのはどこにいても同じだけど。
そういえば、
別のフィリピン人男子に、以前聞いたことがあるんだけど、どうやら、
「敬語が使える」
というのは相当なアドバンテージらしい。
上下関係がとにかく物を言う日本ならではかもしれない。
敬語も勉強させてあげたいし、そもそも文法も習得してほしい。
ああでもその前に、漢字の読み書き! いや、カタカナもあやしい。もう、あれもこれもって思うけど、それは私の気持ちの都合であって。
何より、彼らのペースが最優先だろうな。
詰め込みすぎると勉強が嫌になるのはみんな一緒だと思うから、できる範囲で、とにかく「続ける」を大事に。
彼らが少なくとも、「日本きらいだ」と思いながら生活しなくて済むように。